2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on an effectiveness of a global tax: centring around climate change governance
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26285041
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上村 雄彦 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (90309526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和仁 道郎 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 准教授 (10240566)
伊藤 恭彦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (30223192)
森 晶寿 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30293814)
清水 規子 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, プログラムマネージャー (30345459)
望月 爾 立命館大学, 法学部, 教授 (60388080)
金子 文夫 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員教授 (80114445)
諸富 徹 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80303064)
田村 堅太郎 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, プログラムディレクター (90372086)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル・タックス / グローバル・ガバナンス / 金融取引税 / 世界政府論 / 気候変動 / タックス・ヘイブン / 多国籍企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年度の成果物作成(本の刊行)に向けて、全力投球した年度であった。具体的には、メンバーが一堂に会して論文構想を発表し、徹底的に議論するために、2017年7月に「グローバル・タックスの国際政治学的基礎づけ―世界政府論の観点から」をテーマに合宿を開催した。そのおかげで、各章の詳細のチェックのみならず、本全体の統一感も全員で共有することができた。また、そこでの構想を各章に落とし込むために、2017年12月には、研究代表者がスイスに滞在中にもかかわらず、3拠点にてスカイプを用いて「グローバル・タックスとは何か」、「グローバル・タックスと世界政府論構想」をテーマとした研究会を開催した。これらの成果のおかげで、2018年5月現在で、第一ドラフトが完成しつつある。
ジュネーブ国際関係・開発研究高等研究所滞在中には、国際機関が集中する地の利を生かして、コフィー・アナン元国連事務総長、ヘレン・クラーク前国連開発計画総裁・元ニュージーランド首相など、世界の著名人の講演を直に聴く機会を得た。またこちらでは、教員、ポスドク研究者、博士課程の学生たちを対象とした数多くの研究会が開催されており、これらに参加して知見を広めながら、研究を進めることができた。滞在終了前には、研究報告をする機会をいただき、多くの有益なコメントを得ることができた。 2018年2月にヘルシンキ大学に移ってからは、学部生(90分×3回)と院生(90分×6回)に対して講義を行ったが、その中で研究成果を共有し、議論し、新たな視点から意見をもらうことができた。また、毎日違う教員、ポスドク研究者、博士課程の学生と昼食を共にしながら、多くを学んでいる。2018年5月には、当大学政治学研究セミナーで発表させていただいたが、こちらでも貴重なコメントをもらうことができ、これらを本の執筆に反映させているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトを一年間延長した理由は、研究代表者が2017年9月から2018年8月までサバティカルを取得し、そこでの研究成果をプロジェクトに入れ込むためであったが、それも結実しつつある。上述のとおり、本プロジェクトは極めて順調に進んでいる。それは、まず研究代表者が海外に滞在しているにもかかわらず、予定どおり年2回の研究会を開催できたこと、そしてメールで密に連絡を取りつつ、全体として本の執筆を順調に進めていることがある。さらに、研究代表者がサバティカルでの成果を本研究プロジェクトに入れ込んでいくという目標も達成していることも大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は本研究プロジェクトの最終年度となるので、その最大の成果物である本の刊行を確実なものにしたい。そして、少しでも質の高い書物となるよう、研究代表者を中心に、メンバー間で何度も原稿のやり取りを繰り返していきたい。 また、予算と時間が許すかぎり、出版記念シンポジウムを開催し、5年間の研究成果を広く社会と共有し、グローバル・タックスの重要性を世の中に問うていきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度も申請したとおり、研究代表者が2017年9月から2018年8月までサバティカルで在外研究に出ており、このサバティカル期間中の研究成果をプロジェクトに反映させ、より質の高い成果を出すために、基金の延長が必要となった。 したがって、2018年度は、(1)研究代表者がサバティカル先のフィンランドで滞在して研究する費用、(2)ヨーロッパでのリサーチに伴う出張費、(3)研究プロジェクトの最終成果物である出版に関する費用、(4)研究成果を広く知らせるために開催する出版記念シンポジウムなどに研究費を使用する予定である。
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Remarks |
上村雄彦発表の論文2点を記す。1.「タックスヘイブン―パラダイス文書で明かされた大富豪の税逃れ」『全国商工新聞』、2018年1月8日。2.「『出国税』国際貢献に生かせ」『北海道新聞』、2018年1月13日。 上村雄彦の招待講演1点を記す。1.「国家を飲み込む多国籍企業の現在―タックス・ヘイブンの実態」、アジア太平洋資料センター(PARC)自由学校、2017年6月13日(於:アジア太平洋資料センター)
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Research Products
(12 results)