2014 Fiscal Year Annual Research Report
交通インパクトの社会学的効果に関する研究-量と質とビジュアルの混合研究法-
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26285119
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
後藤 範章 日本大学, 文理学部, 教授 (70205607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 英美 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (80155069)
浅川 達人 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40270665)
小山 雄一郎 玉川大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40439542)
松林 秀樹 関東学園大学, 経済学部, 教授 (20453417)
松橋 達矢 日本大学, 文理学部, 准教授 (50546265)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会学 / 交通インパクト / 混合研究法 / 大都市圏の空間構成 / 社会地区分析 / 鉄道交通ネットワークと大都市圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2014年度は、ビジュアル調査を第8次調査として実施する研究計画に従って、研究代表者の後藤が、埼玉高速鉄道沿線の鳩ヶ谷駅・南鳩ヶ谷駅周辺地区(2014年7月31日・8月1日の2日間)、TX沿線の八潮駅周辺地区(同年8月2・3日の2日間)、埼京線沿線の戸田公園駅周辺地区(同年8月19・20・21日の3日間)で、研究分担者の松橋や大学院生・学部生と共に調査を実施した。7月30日に予備調査、9月~10月には補充調査も行った。これによって、建造物や風景や地形を街区毎に系統的に写真撮影してドキュメント化し、物理的・景観的及び社会的・経済的・文化的な転換のパターンやプロセスや意味を明らかにする見通しと手応えを得たので、2014年10月に開催された日本都市学会大会第61回大会(同志社大学)で「都市の物理的・社会的転換を可視化・可知化する写真調査の可能性-埼京線・つくばエクスプレス・埼玉高速鉄道沿線での第8次調査から-」と題して研究発表した。また、その内容を基に、同名の論文を執筆し、日本都市学会年報に投稿した。査読審査に通って、2015年5月発行予定の年報に掲載されることが決定している。 第8次調査の経緯と結果に関しては、2014年9月に専修大学生田キャンパスにて開催された日本都市社会学会の折に6人のメンバー全員が集まって研究会を開いて、報告し、共有を図った。 他方、研究分担者の浅川は、研究計画に従って、2000年と2010年の国勢調査の地域メッシュ統計を用いて、東京大都市圏の社会地区分析を実施した。成果の一端を、2014年7月に開催された第18回世界社会学会議横浜大会において、"Spatial Formation Processes of Greater Tokyo: a study based on social area analyses"と題して研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第8次調査を、戸田市及び八潮市だけでなく、当初の計画には含まれていなかった(旧)鳩ヶ谷市をも対象にして、実施することができた。日本都市学会大会で第8次調査の結果を踏まえて口頭発表すると共に、論文にまとめて投稿し、査読審査を通って、2015年5月発行予定の学会年報に掲載されることが決定した。 大都市圏の社会地区分析に関しても、これまで蓄積した成果を土台に、新規に分析した成果を積み重ね、第18回世界社会学会議横浜大会で口頭発表することができた。 2015年度・16年度に計画している調査票調査に先だって、予備調査も順調に進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトの主軸に据えている埼京線沿線の戸田市及びTX沿線の八潮市での社会調査に関しては、埼京線開業後30年を迎える2015年度に戸田市で第9次調査を、TX開業後11年を迎える2016年に八潮で第10次調査を、計画通りに実施する(1,200サンプルの調査票調査)。 2014年度に新に調査研究の対象に加えた(旧)鳩ヶ谷市での本調査と長野新幹線沿線地域での本調査については2015年度に、九州新幹線沿線地域とTX沿線の三郷での本調査については2016年度に、それぞれ実施する。また、2015年3月に開業した北陸新幹線沿線地域を研究対象に加えることにしたので、2015年度に予備的な調査を実施することにした。 大都市圏の社会地区分析と交通インパクトに伴う大都市圏の構造変動に関する歴史社会学的研究に関しても、計画通りに進めていく。
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Causes of Carryover |
第8次調査を、研究計画に挙げていた戸田市及び八潮市に、新に(旧)鳩ヶ谷市を対象に加え、大がかりなビジュアル調査を実施することとし、最新鋭の一眼レフカメラ及びビデオカメラ(共に中級機種)を購入したために、物品費がかさんだ。しかしながら、これによって、非常に精度の高い調査を実施することができた。人件費・謝金に関しては、3地点でのビジュアル調査を非常に効率よく実施できたので、押さえることができた。旅費も、当初予定していた研究会の開催を、全員が所属大学からの出張経費を使って参加した日本都市社会学会大会時に行ったことと、近場での調査を実施した関係で、大幅に縮減することが出来た。 交付申請書に記載した経費が170万円であったのに対して、実支出額が約151万に留まってしまったのは(18万6千円ほどの残)、研究代表者及び分担者の4人が、平均して46,500円ほど使い切れなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の研究計画に従って、より分厚い調査研究活動を遂行する。とりわけ、本年度は、戸田市、鳩ヶ谷市、長野新幹線沿線地域の3地点で調査票調査による本調査を、北陸新幹線沿線地域、九州新幹線沿線地域、三郷市で予備調査を、それぞれ実施することにしており、当初立てていた研究計画を大きく上回るものになる。それだけに、前年度に使い切れなかった18万6千円が貴重な上乗せ財源となる。
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Research Products
(2 results)