2014 Fiscal Year Annual Research Report
複合機能をもつ地域福祉拠点におけるコミュニティマネジメントの方法に関する研究
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26285139
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
平野 隆之 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70183580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂坂 光彦 日本福祉大学, 福祉経営学部, 教授 (10278319)
朴 兪美 日本福祉大学, アジア福祉社会開発研究センター, 主任研究員 (10533383)
奥田 佑子 日本福祉大学, 地域ケア研究推進センター, 主任研究員 (30469043)
雨森 孝悦 日本福祉大学, 福祉経営学部, 教授 (50340279)
藤井 博志 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (60336815)
中島 修 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (80305284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域福祉拠点 / 隣保館 / 社会福祉館 / セーフティーネット / コミュニティマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2つのフィールドとして設定している日本と韓国における研究実績にわけて概要を紹介する。 1.日本における地域福祉拠点の実態把握。(1)横浜市に展開している「地域ケアプラザ」:①マネジャーに対するアンケート調査、②地域福祉活動の展開に関する調査票の設計を実施した。(2)中山間地域と被災地域における地域福祉拠点の可能性に関する訪問調査:フィールドとしては、高知県と東北の被災3県である。地域福祉のコーディネート機能をマネジメントする人材の必要性が明らかにされた。(3)小地域セーフティネット:宝塚市における7つのブロックごとに社協地区センターとセーフティネット連絡会の動向を把握した。 2.韓国における地域福祉拠点の実態把握への3つのアプローチ。(1)韓国の研究協力者(金永鍾教授、朴貞蘭教授)とともに研究会を通して、地域福祉の拠点として総合社会福祉館に焦点を当てた議論を行ってきた。(2)ソウル市福祉財団が進めている社会福祉館によるまちづくり活動について訪問調査を実施し、大都市の政策によって展開されている社会福祉館の地域福祉拠点としての新たな動向について調べた。(3)地域福祉運動という住民団体によって行われてきた自発的活動の展開について訪問調査を実施し、社会福祉館以外の地域福祉拠点の可能性について調べた。こうした3つの研究のアプローチから、総合社会福祉館が置かれている現状や課題を把握しつつ、韓国の研究協力者との共同研究の構想を具体化しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つのフィールドとして設定している日本と韓国での調査がおおむね順調に進んでいることからの判断である。とくに、韓国での調査は、複数の訪問調査を実施することができ、計画を上回る進展となっている。他方で、日本における隣保館の訪問調査が遅れている状況にある。研究仮説の段階で設定したモデル(箕面市北芝地区のまちづくりから地域福祉へ展開している隣保館)に類似する拠点としての隣保館を発見できていないことが大きな理由である。 実態把握のうち、マネジメントの課題の把握は明確になっているのに対して、そこで用いられていると想定している「コミュニティマネジメント」に相当する方法へのヒアリングと分析が課題として残っている。しかし、現状の課題は把握できているので、今後の追加調査のなかで実現できる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本における研究では、2015年度には新たな政策導入(生活困窮者自立支援制度と介護保険制度の改正)が進むことによる地域福祉拠点の影響が出るため、その視点から研究の推進が図れる条件となる。とくに生活困窮者自立支援は、小地域でのセーフティネットや隣保館における新たな展開を進める条件ともなっているので、その点では研究の促進条件となる。 韓国研究では、海外研究協力者とともに、韓国の社会福祉館の制度的な規定の変化に伴った機能の展開に注目した「経路依存研究」及び社会福祉館に所属している社会福祉士を対象とした調査研究を進めながら、コミュニティマネジメントについて探っていく。総合社会福祉館以外の住民活動の拠点にまで視野を広げ、まちづくりの推進といった政策の動きのなかで、地域福祉拠点の多様な可能性を打診していくことを想定している。地域福祉に求められる拠点の総合性とは何か、空間的な拠点に限らず、脱拠点としての拠点機能についても探っていく。
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Causes of Carryover |
横浜市地域ケアプラザ調査の実施にまで至らなかったので集計分析のための経費を支出できなかったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の助成金と合わせて横浜市地域ケアプラザ調査の集計分析費用として使用する。さらに当初より予定していた韓国調査および隣保館等の調査旅費等に使用する。
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Research Products
(3 results)