2014 Fiscal Year Annual Research Report
戦後東アジア諸地域における教育の比較史的分析―冷戦と植民地主義に着目して―
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26285174
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒込 武 京都大学, 教育学研究科, 教授 (80221977)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東アジア / 戦後教育 / 台湾 / 韓国 / 沖縄 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、6月8日(日)、8月30日(土)、11月9日(日)、3月28日(日)の4回 にわたって京都大学駒込研究室でコアメンバーによる研究会を行い、東アジアにおける戦後教育にかかわる研究会を行った。また、平成27年1月31日から2月2日にかけて、コアメンバーのひとりである鳥山淳小川正人・鳥山淳が奄美大島で資料調査を行った。これらの作業の中で『世界の子ども』と題する綴方文集に沖縄県教職員組合や在日朝鮮人学校連盟などの組織がかかわり、中国、台湾、朝鮮半島の子どもたちの綴方が収められていることを発見したので、その分析を集中的に行った。 このようにして東アジアにおける戦後教育を統一的な視座から考察するために適合的な資料を発掘し、その分析を始めることができた。ただし、これに関連する資料の調査やその分析については平成27年度以降に本格的に取り組もうとしている状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が腹部腫瘍摘出手術のために平成26年5月と7月の2度にわたって入院、7月の手術後にもその後遺症として左手の麻痺状態が継続したために、当初の研究計画を縮小した形で実施せざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1950年代において東アジアにおける子どもたちの綴方がどのようにして集められたのか、教職員の団体はそこにどのようにかかわったのか。そして、綴方にどのような「生活」が表現されており、植民地支配の記憶や内戦(朝鮮戦争、国共内戦)の経験がいかに刻み込まれているのかを分析する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度においては研究代表者が病気・入院のために予定通り研究を進めることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度において、平成26年度に予定していた調査も行う計画である。
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