2015 Fiscal Year Annual Research Report
互恵性に基づく教科準拠型多世代交流プログラムの開発
Project/Area Number |
26285176
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
溝邊 和成 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (30379862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉津 晶子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60350568)
矢野 真 京都女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00369472)
田爪 宏二 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20310865)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 多世代交流 / 互恵性 / 教科準拠型 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内外の事例ならびに試行的実践により「互恵性に基づく教科準拠が多々世代交流プログラム」の開発を目指している。本年度はその2年次として聴講生制度に関する調査研究ならびに資料収集と小学校と高齢者施設との交流に関する実践等に関して、次のような成果が得られた。 論文・学会発表等(国内)では、査読付論文1編、査読付論文投稿中2編、ポスター発表1件(日本世代間交流学会)であった。国際学会等の発表・報告では、Generations United18th International Conference(2015,Hawaii,USA)でポスター発表2件、ワークショップ1件、The 10th Fukuoka Active Aging Conference in Asia Pacific 2016でポスター発表2件を行った。また、関係協力施設代表による発表もあった(アクティビティ・ケア実践フォーラム)。 現地視察・情報収集等に関しては、高知県土佐郡、福岡県古賀市、鳥取県佐伯郡、佐賀県東松浦郡、神奈川県中部、さらには沖縄県宮古島に現地調査を行った。札幌から資料を取り寄せたり、「持続可能な多世代共創社会のデザイン」提案募集に向けたワークショップに参加したりした。 実践的な取り組みとしては、沖縄県の保育所と高齢者施設や熊本県の高齢者施設での造形的取り組みも行われた。特に、小学校と高齢者施設との世代間交流活動は、数回にわたって取り組まれ、今後の継続的な調査の可能性に期待が持てる。 メンバー間の打ち合わせに加え、研究推進のための研修として、アンケート等の統計の考え方や処理方法についてのレクチャーを適宜行われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度研究は、昨年度の反省を踏まえ、研究代表者が中心になって、できる限り情報収集と国内外の発表を心がけた。論文では3編、発表・ワークショップ等の発表数は国外5、国内2を数える。現地の視察・調査は、地方の聴講生制度やシニアスクールを複数箇所にまたがって行うことができた(現地視察8、資料提供1)。試行実践では、沖縄、熊本の2カ所に加え、本年度には熊本県で小学校と高齢者施設の交流活動が決定され、その取り組みも一定程度順調に進み、これからの研究の基礎固めとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度、調査対象として取り組み始めた熊本県の小学校と高齢者施設は、地震の震源地であったため、被害も甚大で、昨年度に引き続いて行うことは実質困難だと判断している。また今年度で終了する本研究からすれば、時間的な面で、他の研究協力のフィールドを準備することは、非常に厳しいところである。また、共同研究者の1人は、熊本市内に研究室、住居があり、震災の影響も大きく、十分な研究活動が保障されにくい。こうした状況下ではあるが、これまでの実践データや他の地方での情報収集からプログラム開発に向かう基礎的調査研究は、可能ではないかと考えている。したがって、共同研究者との話し合い、調整のなかで、本年度末の研究ゴールを「教科準拠型互恵的多世代交流活動のための実践的なアイデア集(プログラム集)(仮)」といった書籍にまとめ、出版することとして、研究の方向付けを行った。それに向けて再度、事例収集の方法や分析観点など検討の仕方についても共通理解を図り、本年度上半期では、これまでに得られた資料に対して分析を行うとともに本年度分としてもできる限りの調査を行い、その成果を得るようにする。下半期では、書籍作成(全体をまとめる作業)を集中的に取り組めるよう研究メンバー間の意思疎通を図り、取り組む予定である。
|
Causes of Carryover |
年度内にプログラム開発のための試行実施プロジェクトに対して予算計上をしていたが、実施回数(打ち合わせ会議も含)、施設等援助費、交流活動のための材料費等に変更が生じたため。また、現地視察、資料収集における謝金、資料代等の変更とともに資料整理のための人件費等にも変更があったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、できる範囲で試行実践の調査研究を行いつつ、これまでのデータや今年度新たに得られた基礎データの分析・発表・公開を主とする。そのための旅費、資料収集・整理にかかる諸費用を充実させるとともに書籍出版に向けて関連する諸経費として充当する予定である。
|
Research Products
(7 results)