2014 Fiscal Year Annual Research Report
日仏英独における移民の学力保障に関する比較教育研究
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26285190
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80315308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 晶子 名古屋大学, 国際教育交流本部, 講師 (00645179)
丸山 英樹 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 研究員 (10353377)
池田 賢市 中央大学, 文学部, 教授 (40222880)
見原 礼子 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (70580786)
斎藤 里美 東洋大学, 文学部, 教授 (90202077)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外国人 / 移民 / 学力 / イスラーム / 比較教育研究 / ヨーロッパ / 学習権 |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人児童生徒の教育問題に関する欧米比較研究は、小林哲也・江渕一公編による『多文化教育の比較研究』九州大学出版会(1985,1997年)が最初と思われるが、以後数冊の研究があるものの2000年代以降の西ヨーロッパの動向を抑えたものは管見する限りない。そこで、70年代に単純労働者の受け入れ停止を機に西欧における外国人児童生徒の教育が開始してから40年を振り返り、今日的な課題を再確認することが目的であった。今年度は、予てからヨーロッパでは移民の子どもに寛容な教育を施していたオランダ及びスウェーデンに注目したうえで、我が国における「日本語指導が必要な外国人児童生徒の受入状況等に関する調査」(1991年より)の開始以降にみる政策変遷と現場の状況からみる課題について比較考察を試みた。研究会では、今日のヨーロッパ諸国にみられる排外主義、人種主義、極右勢力の台頭は、多文化主義政策に積極的だとみなされていた各国においても多文化教育あるいは外国人教育を後退させている。今一度、西ヨーロッパ諸国間の比較研究の重要性が再確認された。外国人住民への政策、教育政策、学校内や教室内での教育課題という各レベルにおいて種々の個別テーマがあり得るが、社会的統合と個人ないし集団としての対応のあり方について、各国の位置づけを念頭に置きつつ制度や施策の違いを見る必要性に言及がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7月に日本比較教育学会において報告を行い、8月と2月に国内において研究会を開催し、情報交換および国内外の調査報告を実施することができた。まずはメンバー間の研究の方向性とその可能性について確認することができた点は1年目としては大いに評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各フィールド先での信頼関係を深めながら、各国の実態と日本との差異について調整をしながら、それぞれの地域における課題を浮上させるよう務めていきたい。各国のデータの比較可能性についても今後検討していきたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者のひとりが、フランス調査予定であったが、テロ事件が1月に発生したため、所属大学より渡航が認められなかったため、調査予定を次年度に変更する必要が生じたため。また研究協力者のひとりが妊娠出産のため旅費の執行ができなくたったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において海外渡航が可能となるため、渡航できなかった2名は調査実施予定である。
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