2015 Fiscal Year Annual Research Report
学校における美術鑑賞の授業モデルの拡充と普及についての実践的研究
Project/Area Number |
26285204
|
Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
松岡 宏明 関西国際大学, 教育学部, 教授 (10321184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉谷 淑夫 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30263552)
赤木 里香子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40211693)
大橋 功 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70268126)
萱 のり子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70314440)
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80324557)
藤田 雅也 名古屋経済大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80524339)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 鑑賞教育 / 美術鑑賞 / 目標と評価 / ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
年度間5回の研究会を開催し、チーム全体として研究を進めた。 平成26年度末に実施した、小学校図画工作科における鑑賞学習に関する全国調査(3778校に送付、784校から回答を得た。回収率20.8%)の全集計結果を、日本美術教育学会HP(http://www.aesj.org/)に公開し、誰でもその結果を実践や研究に利用できるようにした。また分析結果を、日本美術教育学会学術研究大会静岡大会(平成27年8月)にて口頭発表するとともに、日本美術教育学会誌『美術教育』に論文として発表した(平成28年3月発刊)。 平成27年度に実施した、中学校図画工作科における鑑賞学習に関する全国調査(3778校に送付、930校から回答を得た。回収率26.4%)の全集計結果を、日本美術教育学会HPに公開し、誰でもその結果を実践や研究に利用できるようにした。また分析結果を、美術科教育学会大阪大会(平成28年3月)にて口頭発表した。併せて同学会大会にて、小学校と中学校の比較分析及び平成15年度時の調査との比較分析についても口頭発表した。 上記の調査によって明らかになった鑑賞学習における「評価と目標の指標」の不足状況に対して、鑑賞学習の発達段階別コモンルーブリック(暫定版)を完成させた。またこのコモンルーブリックに沿って、題材に貼り付いたルーブリックを3点(暫定版)完成させた。 平成28年度は、このルーブリックを使った実践を展開し、その中で明らかになった課題を解決しながら、より精度の高いコモンルーブリックとして完全完成させ、学会組織や発表の機会を利用して普及に取り組み、鑑賞学習の拡充をねらう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在において、鑑賞学習指導を阻害している要因を明らかにし、それに沿った研究を進めていくために、小学校、中学校における全国調査を実施することができたことは大きい。この種の調査は、この規模では他には見当たらない。 課題が明らかになったために、研究の方向性がはっきりした。その方向(鑑賞学習における目標と評価の指標を現場に示し、鑑賞教育の普及に資する)に向けて、コモンルーブリックの作成、題材に貼り付いたルーブリックの作成が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の調査によって明らかになった鑑賞学習における「評価と目標の指標」の不足状況に対して、鑑賞学習の発達段階別コモンルーブリック及び題材に貼り付いたルーブリックを3点を作成したが、また暫定版であり、実際の実践に適用できていない。最終年度は、実践での試用を重ね、その中で明らかになった課題を解決しながら、このコモンルーブリックの検証を行い、より精度の高いものとして完成させる必要がある。 その上で、学会組織や発表の機会を利用して普及に取り組み、鑑賞学習の拡充をねらう。
|
Causes of Carryover |
全国調査の回答の集計について、アルバイトを使ったが、予想よりも時間が短く終了した。また、研究会をもう一回開催したかったが、残金の関係で断念せざるを得なかった。メールでのやりとりに代替し、少々の残金が生まれた。次年度の研究を計画通り推進するためには予算が足りないことは自明であり、研究チームメンバーはそれぞれ所属機関における研究費を充当せざるを得ない状況である。残金68205円は有効に活用したい。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現場における鑑賞学習のルーブリック活用の検証の際の旅費、研究成果発表会の際の会場費などを見込んでいる。
|
Remarks |
2015年度、2016年度に実施した、小学校及び中学校における鑑賞学習指導に関する全国調査の全内容・結果・集計をPDFにて公開している。
|
Research Products
(7 results)