2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26287009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉屋 周一 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80127422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大本 亨 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20264400)
石川 剛郎 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50176161)
佐治 健太郎 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70451432)
高橋 雅朋 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80431302)
寺尾 宏明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90119058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ラグランジュ特異点 / グラフ型波面 / 焦点集合 / 世界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、研究代表者は20年来考えていた「ラグランジュ特異点のラグランジュ同値と対応するグラフ型波面の同値関係が同じである」事を証明した。従来ラグランジュ同値の方が強い同値関係であると言うことを示してきたが、逆が成り立つ事は研究を開始して依頼20年間に渡って、成り立ないであろうと思い込んでいたが、実は逆もなんの仮定なしで成立する事が解った。その結果、ラグランジュ安定性と対応すグラフ型波面のある種の安定性が同値となることが、簡単にわかり、従来の証明を殆ど省略する事ができた。さらには、グラフ型波面の同値関係の方が幾何学的意味が明確で、様々な幾何学的結論が簡単に導き出される事が解った。一つの例として、ラグランジュ特異点の像である焦点集合の微分同相は必ずしもラグランジュ同値を導かないが、その幾何学的理由がこの結果から明らかにされた。とくに、グラフ型波面を考える事の利点は、「世界面の焦点集合」と呼ばれる、時空内に現れる焦点集合を研究するための枠組みを与える事が解り、その結果「世界面の焦点集合」もラグランジュ特異点の像として理解される事が解った。また、グラフ型波面に対しては様々な同値関係が考えられるが、これらの同値関係とラグランジュ同値との強弱関係などが、この成果を通して理解可能となり、焦点集合の特異点に関する幾何学的性質の研究に大きな進展を見込む事ができる。分担者である、石川剛郎はG2型リー群に関連した幾何学に対応するある種の接線曲面の特異点について研究した。また寺尾宏明は超平面配置に関する研究を推進した。さらに、佐治健太郎、高橋雅朋は代表者と共にスペイン(バレンシア大学)を訪問して当研究課題にかんする共同研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
20年来の懸案であった事実を証明したため、当研究の一つの研究方針である、波面の伝播理論とその応用に関して、応用範囲が格段とひろがった事が第一に挙げられる。また、その結果、次年度以降に研究する方針がより明確となり、より大きな成果が期待される。個々の研究分担者も順調に研究を推進しているため、次年度以降もますますの成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進方法は、基本的には26年度の方法を踏襲する。分担者と連携研究者に役割分担をすることにより双方の研究深化とお互いの研究打ち合わせによって、研究を推進する。さらに、国内外の関連する研究者との研究打ち合わせを通して、特異点論の更なる応用可能性や知られている応用の深化を目指す。また、最近研究を開始した若い研究者や大学院生を取り込み、より広範な研究推進を目指す。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、予算規模も大きく、余裕を持って使用していたが、平成27年度に当研究と関連する、国際研究集会を主催することとなったため、27年度予算が不足する懸念が生じ、年度の後半部分の使用を制限し、27年度に国内外からの研究者を研究集会へ招聘し研究打ち合わせを実施することを可能とするため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
通常使用の、代表者、研究分担者、連携研究者の研究打ち合わせ旅費の他に、6月に開催する国際研究集会「生成的微分幾何学における特異点」への国内外の参加者の研究打ち合わせ及び発表の為の旅費、滞在費に使用する予定です。
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Research Products
(7 results)