2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of angle-resolved low-energy inverse phtotoelectron spectroscopy and measurement of energy band structure of organic semiconductors
Project/Area Number |
26288007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 弘幸 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (00283664)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機半導体 / エネルギーバンド構造 / 角度分解低エネルギー逆光電子分光 / ペンタセン / 非占有準位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、申請者の開発した低エネルギー逆光電子分光法により角度分解測定を実現し、有機半導体の空準位バンド分散を初めて観測することである。2017年度までに、2 eVから動作する低速電子源を新たに開発してグラファイトの鏡像準位の角度分解測定に成功した。そこで、ペンタセン薄膜を作製して有機半導体の測定を試みたが、信頼できる測定ができなかった。2018年度は、安定な動作を目指して装置の改良と調整、再度有機半導体のバンド分散のための試料調製を進めた。 まず、電子軌道追跡シミュレーションを行い、電子銃の動作条件を再検討した。また、電子運動エネルギーを分析し、電子線の広がりを0.3 eV程度と見積もった。さらにエネルギー広がりを抑えて分解能を向上させるための改良を進めている。 一方、有機半導体の角度分解LEIPS測定の試料としては、単一の分子配向を有する結晶性薄膜試料が必要である。金属単結晶表面にエピタキシャル成長した有機薄膜は理想的な測定試料である。本研究では、Cu(110)表面上のペンタセン薄膜を選んだ。すでにARUPSによる占有準位のバンド分散が報告されている。また、理論計算により非占有準位にも0.5 eV程度の大きなバンド分散が予測されている。 Cu(110) 清浄表面を得るため、電子線照射による試料の加熱機構を作製、Arイオン銃を取り付けた。また、Cu(110)清浄表面の酸化や汚染を防ぐため、ターボ分子ポンプとクライオポンプによる排気系にチタンサブリメーションポンプを増設した。真空槽の焼きだしを丁寧に行い、最終的にはペンタセン蒸着中でも10-8 Pa代の真空を保持できるようにした。 一方で、MCP-LEEDを取り付けた別な装置で、ペンタセンの薄膜作製条件の詳細な検討を行った。現在、この条件に従って試料を作製し、角度分解低エネルギー逆光電子分光測定を試みている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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