2015 Fiscal Year Annual Research Report
微生物代謝を利用した既存建物直下地盤の液状化対策の開発
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26289198
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Research Institution | Kajima Technical Research Institute, Kajima Corporation |
Principal Investigator |
鈴木 康嗣 鹿島建設株式会社(技術研究所), その他部局等, その他 (70416767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山木 克則 鹿島建設株式会社(技術研究所), その他部局等, 研究員 (40399697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地盤工学 / 地震 / 微生物 / 液状化 / 地盤改良 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道から九州までの10か所から採取した自然砂から前培養した微生物と培養液(塩化カルシウム,尿素,Nutrient Broth,塩化アンモニウム,炭酸水素ナトリウム)を,相対密度Dr=50%に詰めた標準砂に1回~4回注入した三軸試料(30℃で養生)に対して,26年度からの継続で液状化強度試験を行い,福岡と広島から採取した微生物を用いた試料の液状化強度が最も増加する結果が得られた。そこで,両微生物を用いて養生温度を地中と同じ15℃にした場合の液状化強度試験を行い,固化までの時間が数倍程度かかるものの液状化強度は確実に増加することを確認した。また,安価な培養液での可能性を検討するため,農業用資材による培養液を用い,同様に液状化強度が増加することを確認すると共に,コスト試算を行った。 走査型電子顕微鏡による分析を30℃及び15℃で養生した液状化強度確認試料に対して実施し,砂粒子間に炭酸カルシウムが析出し,液状化強度を高めているメカニズムは同じであることを確認すると共に,養生温度によって析出するカルシウムの大きさに違いがあることが分かった。 26年度からの続きの室内模型土槽実験で,上下を難透水層に囲まれた砂層の片側から改良液を注入すると同時に反対側から排水して改良液を拡散させ,砂層全体を改良することが可能であることが分かった。 当初実施予定であった遠心振動台実験については,実験計画を策定したが,実験装置の関係で27年度は実施できなかった。また,遠心実験結果を踏まえ,地盤の不均一性や改良液が一様に注入されない影響などを考慮した3次元有効応力解析は実施できなかった。 28年度に実施する,原位置における固化確認実験の場所の選定,実験計画の策定や準備を前倒しで実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れ気味の部分もあるが,28年度に計画していた原位置実験の準備を前倒しで進めているため,全体としては当初の目的をほぼ達成していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
15℃で養生した砂試料の固化に予想以上の時間がかかっているため,26年度から実施している三軸液状化試験を,28年度も継続予定である。 室内模型土槽による注入・排水実験は,細粒分を含まない砂試料に対して実施してきたが,予定にはなかったが細粒分を含む試料に対する実験を追加する予定である。また,未実施であった遠心振動台実験,有効応力解析を実施する予定である。 28年度は,当初の予定通り,原位置における固化確認実験を中心に実施し,液状化対策効果を確認する予定である。最も大変な原位置実験の場所の選定や計画などの準備が前倒しで実施できたので,後れは挽回できると判断している。
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