2016 Fiscal Year Annual Research Report
建築制作における建築家と施主・施工業者・他分野専門家との協働:村野藤吾をめぐって
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26289222
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松隈 洋 京都工芸繊維大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80324721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, その他部局等, 助教 (40721361)
福原 和則 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50635365)
角田 暁治 京都工芸繊維大学, その他部局等, 准教授 (60379063)
石田 潤一郎 京都工芸繊維大学, その他部局等, 教授 (80151372)
笠原 一人 京都工芸繊維大学, その他部局等, 助教 (80303931)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 村野藤吾 / 施主 / クライアント / 近鉄 / 都ホテル / 志摩観光ホテル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、建築家村野藤吾と設計を依頼した施主との関係や建築家と施工業者との関係、建築事務所における建築家と所員との関係、また建築家とその作品に関わる芸術家・デザイナーなど他分野専門家との関係など、いわば建築家と、その業務を分け持ち、建築家を支える人々や組織との関係を解明することを目的としている。 今年度は、村野と施主(クライアント)との関係に焦点を当てて、調査、研究を行った。特に戦前から戦後、そして村野没後に至る約50年間にわたって、村野のクライアントであり続けた近鉄(近畿日本鉄道)グループに焦点を当てた。近鉄グループの作品から、あやめ池温泉場(1929年)、都ホテル(現・ウェスティン都ホテル京都/1936‐70年代)、橿原神宮駅(現・橿原神宮前駅/1940年)、アポロ座(1950年)、志摩観光ホテル(1951・1969・1983年)、近映会館(1954年)、近鉄会館(1954年)、近鉄百貨店阿倍野店(1958・64年)、名古屋都ホテル(1963年)、佐伯邸(1965年)、上本町ターミナルビル・近鉄百貨店上本町店(1969年)、近鉄本社ビル(1969年)、賢島駅(1970年)、近映レジャービル・アポロ(現・きんえいアポロビル/1972年)、都ホテル大阪(現・シェラトン都ホテル大阪/1985年)を選んで調査の対象とした。 これらの作品についての情報やデータを収集し、図面資料の整理・保存作業を行なった。その後、担当者を決めて、文献調査や建物の現地調査を行った。写真資料の収集も行った。写真家多比良俊雄らによって撮影されている写真を収集したほか、現存する建物については市川靖史の撮影により撮り下ろした。これらの調査の成果は、第14回村野藤吾建築設計図展「村野藤吾とクライアント-近鉄の仕事を通して-」を開催し、図録も作成して公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究対象を施主との関係に絞り、特に近鉄グループに焦点を当てて、図面資料を用いて研究を進めた。その結果、1つの施主との長期にわたる関係や多種多様な建物への取り組み、施主との村野との関係のあり方などが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、本年度と同様に調査や研究を進め、村野藤吾の活動について明らかにする。
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Causes of Carryover |
2016年度末から開催した調査研究の成果報告を兼ねた展覧会の開催準備が遅れ、図録(報告書)の印刷などが2017年度にずれ込んだためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度の早い時期に、展覧会の図録(報告書)を完成させる。
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Research Products
(14 results)