2014 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚ノードにおける初期左右軸形成の分子機構の解析
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26291051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
目野 主税 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20311764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 次世代シークエンス / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス左右軸形成は、原条頭側端に形成されるノードの一次繊毛の回転に始まる。繊毛運動によって発生する左向きの水流はノード側縁のcrown cellにおける左右非対称な遺伝子発現をもたらし、左側側板中胚葉におけるNodal発現域の確立に繋がる。左右軸形成に関わる組織の構築とその変化、及び関連遺伝子の発現を理解するには、鍵となる遺伝子の発現制御について解明する必要がある。近年、次世代シークエンサーが発達し、特定タンパクのゲノムとの結合を解析したChIP-seqのデータが、公共データベースにSequence Read Archives (SRAs) の形式で蓄積されてきている。これらは左右軸形成における遺伝子発現制御を解析する上で活用すべき情報であるが、SRAsを可視化するには各種ツールでコマンド入力による処理を適切に行う必要があり敷居の高いものであった。そこで、データベース上のSRAアクセッション番号を入力するだけで、特定タンパクのゲノムへの結合を可視化できるGUIソフトSraTailorを開発した。SraTailorはMacOS及びWindowsで利用することが可能であり、初回のソフトの起動で処理に必要な各種ツールを自動ダウンロードする。SRAのアクセッション番号を入力すると、Aspera Connect - sratoolkit - bowtie2/bowtie/bwa - samtools - genomeCoverageBed - bedGraphToBigWigで自動処理され、ゲノムブラウザーIGVで任意のゲノム上における特定タンパクの結合を表示することができる。SraTailorによって自前のChIP-seqデータも容易に解析することができ、関連研究分野に広く活用してもらうべく、フリーウェアとして研究室websiteで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では左右軸形成における遺伝子発現制御を解明することを目的としているが、SraTailorの開発によって、自前のChIP-seqデータの解析や既知の情報収集が飛躍的に容易になった。
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Strategy for Future Research Activity |
ノードにおける遺伝子及び胚体制に関わる遺伝子の発現制御機構について解析を進めて行く。
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Causes of Carryover |
研究期間に合わせた研究遂行のため予算執行のバランスをとり、基金分はH27年度以降に使用することで、研究の発展に伴う費用の増大に対応させた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究遂行に合わせた柔軟な予算執行計画であり、研究実施計画に沿って基金分はH27年度以降に使用する。
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