2016 Fiscal Year Annual Research Report
Multifaceted approach for scrutiny of symbiosis ecology using artificially produced coral-zooxantellae symbiosis
Project/Area Number |
26291094
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
山下 洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 西海区水産研究所, 研究員 (00583147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 豪 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 西海区水産研究所, 研究員 (30533319)
新里 宙也 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70524726)
神保 充 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (10291650)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サンゴ礁生態系 / 海洋生態 / 生物圏現象 / 共生生物学 / 海洋保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではサンゴと褐虫藻と呼ばれるSymbiodinium属の渦鞭毛藻との共生メカニズム,特に共生関係の構築から2年目程度までの初期共生のフェーズに着目し,人工的に構築したサンゴ-褐虫藻共生体を用いて,両者の生理・生態学的な関係の詳細を明らかにすることを目的としている。本年度は,昨年度から実施している野外に設置した人工基盤上に着生させた共生体の観察を継続した。2016年の夏季は高水温の影響により各地でサンゴの白化現象が観察されたが,本研究の基盤上でも2016年2月の観察時から2017年1月の観察時の間に約6割が死滅した。基盤上のサンゴには実験室内であらかじめ,野外のサンゴ幼体が良く保有している褐虫藻(遺伝子型A1)と野外のサンゴは全く持たない褐虫藻(遺伝子型A2)を取り込ませたが,着生直後にA2の褐虫藻は環境中から取り込んだと考えられるA1の褐虫藻に置き換わっていた。そのため,褐虫藻組成は実験開始直後からほぼ均一になっていたが,詳細な遺伝子解析の結果,水深が深い基盤に着生させた幼体ほど遺伝子型Dの褐虫藻を環境中から取り込んでいるようであった。褐虫藻組成とサンゴの生残の間に何らかの関係があるかどうか,今後も詳細に観察を続ける必要がある。また,本研究の実施により,ウスエダミドリイシのタンパク質に対してLC-MS/MSを用いたプロテオーム解析から,現在約2000個のタンパク質を定量可能となった。これにより,サンゴ‐褐虫藻共生体の生理・生態学的な関係の詳細を肉眼で観察可能な生残率などのデータのみならず遺伝子やタンパク質といった目には見えない変化の解析と合わせて議論することが可能となった。本年度はこれまでに得られた成果を,国際学会4件,国内学会4件で発表した。また,受理済み論文1件と現在投稿中の論文2件,準備中の論文2件で順次公表する予定である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)