2014 Fiscal Year Annual Research Report
樹木精油の香気成分による健康増進を切り口とする森林医薬アロマセラピーへの応用
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26292093
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
光永 徹 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20219679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 邦義 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20346836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 副交感神経 / 交感神経 / テルペノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
1.樹木精油試料と分析実験(正プラス(株),岐阜大学):正プラス(株)から購入する、9樹種から得られる13試料の樹木精油を研究室既存のガスクロマトグラフィー質量分析装置で成分分析した。 2.精油雰囲気下におけるマウスの飼育(岐阜大学):通常のWistar系ddyマウスおよび肥満モデルマウスob/obマウスを各留分の精油を水で1000倍および100倍希釈した精油溶液にポンプで空気を送り、そのヘッドスペースガスを飼育用ゲージに揮散した結果、体重増加はコントロールマウスとほぼ同様な傾向を示した。 3.動物を用いた体内時計調節効果評価(九州大学):既に、CBA/Nマウスを用いて回転輪型活動記録装置により睡眠-覚醒サイクルを測定する評価系を確立している。吸入方法については、密閉されたボックス内で、マウスを飼育し、一定濃度のスギ精油香気成分を、ボックス内に導入する方法で行った。その結果、精油吸入による体内時計と接触量とに深い関係があった。 4.カテコールアミン類の定量(岐阜大学):精油香気成分を吸入したマウス血清中および肝臓中の総コレステロール、トリグリセライドを定量し、脂質代謝に及ぼす効果を考察した。自律神経活動との相関性について測定したところ、有意な副交感神経の増加が認められた。 5.交感神経活動の測定(岐阜大学):Wistar系雄ラットの交感神経をサイプレス材精油画分を用いて神経活動を計測したが、交感神経及び褐色脂肪組織の熱産生は認められなかった。またヒトを用いた持続的注意力低下抑制効果評価・生理心理応答評価(九州大学)ではスギ精油が、ヒトにどのような応答を引き起こすかを探索・網羅的に調べたところ、濃度によって脳波は変化しやすく、高濃度では副交感神経が、一方低濃度では交感神経が刺激されるt事が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験、人によるデータの収集など全て計画通りに進行している。特に人によるデータは予定を超えたデータまで取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は人や動物実験に於いて、計画している項目を実験回数を増やしてより再現性のあるデータの取得に心がける。また各種精油成分の大量分取を行い、動物実験や人の実験の種類と回数を増やしたい。
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Causes of Carryover |
予定していた物品が予想していた物より低価格で購入できたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では動物の使用数を大幅に増加するため、その費用に充当する予定である。
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