2014 Fiscal Year Annual Research Report
酵素処理卵白に由来する脂肪酸合成酵素阻害ペプチドの機能とその応用
Project/Area Number |
26292144
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大塚 彰 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10233173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎元 廣文 帝京大学, 理工学部, 講師 (30609392)
井尻 大地 鹿児島大学, 農学部, 助教 (50551090)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 卵白 / 脂肪酸合成酵素 / ペプチド / 脂質代謝改善 / 畜産物利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ニワトリ卵白アルブミンの消化酵素処理画分(PHOVA)において見出された脂肪酸合成酵素阻害ペプチドの機能を明らかにし、PHOVAおよび含有ペプチドの多様な分野への応用を目指すことを目的としている。平成26年度は、主に脂質代謝改善効果を有する機能性食品素材としてのPHOVAの効果を調べるために、マウスを用いて血糖値に及ぼす影響を調べた。試験1として、発症機構の異なる二種類の肥満・Ⅱ型糖尿病モデルマウス(C57BLKS/J Iar-+Leprdb/+LeprdbおよびKK-Ay/TaJc1)にPHOVAを唯一のタンパク質源とした高スクロース精製飼料を3週間与えて、血糖値に及ぼす変化を調べた。対照飼料区のマウスには、カゼインをタンパク質源とした高スクロース精製飼料を与えた。血糖値はC57BLKS/J Iar-+Leprdb/+Leprdbマウスにおいて677mg/dlに、KK-Ay/TaJc1マウスにおいては565mg/dlにそれぞれ上昇したが、PHOVA給与はそれらを291mg/dl(P<0.005)および351mg/dl(P<0.05)に抑制した。次に試験2として、正常マウス(C57BL/6JJmsSlc)を用いて、耐糖能試験を行った。飼料区の設定は試験1の飼料区に加え、オボアルブミンをタンパク質源とした高スクロース精製飼料区を加えた。試験飼料給与開始から約7週間後に、マウスにグルコース(1.0g/kg体重)を経口的に投与し、経時的(投与直前、15、30、60、90、120分時)に尾静脈より採血して血糖値の変化を調べた。血糖値は全ての飼料区で15分に大きく上昇するが、30分以降はPHOVA区の血糖値は他の2区と比較して有意に低い値を示した。以上より、PHOVAの顕著な血糖上昇抑制効果が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画では、(1)研究に必要な主材料の確保、(2)卵白ペプチドによる脂肪酸合成酵素阻害作用機構の解明、(3)抗肥満効果を有する機能性食品としての卵白ペプチドの検証①の3つの小課題を予定していた。そのうち(1)および(3)を行い、平成27年度に予定していた小課題「抗肥満効果を有する機能性食品としての卵白ペプチドの検証②」を前倒しして行った。平成26年度の小課題(2)については27年度から行うことにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
各年度の小課題の入れ替え等は生じるが、大筋は研究計画どおり推進させる。
|
Causes of Carryover |
平成26年度と27年度は研究小課題の一部入れ替えたので、必要経費の減少が生じたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度と27年度は研究小課題の一部入れ替えたが、研究全体としての計画に変更はない。そのため平成27年度は必要経費の増加が見込まれ、26年度の減少分をそれに充てる。
|
Research Products
(3 results)