2016 Fiscal Year Annual Research Report
Function of the fatty acid synthase inhibiting peptides derived from the enzyme-processed egg white and its applications
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26292144
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大塚 彰 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (10233173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎元 廣文 帝京大学, 理工学部, 講師 (30609392)
井尻 大地 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (50551090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 卵白 / 脂肪酸合成酵素 / ペプチド / 脂質代謝改善 / 畜産物利用 / 多価不飽和脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ニワトリ卵白アルブミンの消化酵素処理画分PHOVAにおいて見出された脂肪酸合成酵素阻害ペプチドの機能を明らかにし、PHOVAおよび含有ペプチドの多様な分野への応用を目指すことを目的としている。平成28年度は、主に培養細胞を用いて、PHOVA中に0.1%含有されるペプチドWTSSN(鶏オボアルブミン267-271番目のTrp-Thr-Ser-Ser-Asn配列)が脂肪蓄積に及ぼす影響を検証した。まずHepG2 ヒト肝癌由来細胞株の脂肪蓄積に対するWTSSN投与の影響を調べた。HepG2細胞をコンフルエントになるまで増殖させ、パルミチン酸:オレイン酸(1:2)混合液による脂肪蓄積の誘導を行った。誘導開始時より、培地にWTSSN(500μM)を添加し、24時間後にOil red O染色による蓄積油滴の確認を行い、染色細胞の吸光度(510nm)を測定した。その結果、パルミチン酸:オレイン酸の誘導時にはOil red Oで染色される油滴が顕著に増加すること、ならびに染色細胞の吸光度を直接測定することで、脂肪蓄積の度合いを容易に数値化することが可能であることが確認された。次に細胞を回収して、トリグリセリド含量を測定した。その結果、パルミチン酸:オレイン酸の誘導により脂肪蓄積が20倍以上に顕著に増加するが、WTSSNを投与すると、脂肪蓄積は増加するが(17.5倍)、有意に抑制(P<0.05)されることが確認できた。このトリグリセリド含量の結果とOil red O染色細胞の吸光度の結果はほぼ同様であった。以上よりHepG2細胞におけるWTSSNの脂肪蓄積抑制効果が示された。また、多価不飽和脂肪酸についても同様の脂肪蓄積抑制効果があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年は追加の課題として多価不飽和脂肪酸による脂肪蓄積抑制効果の検証と脂肪酸合成酵素の阻害機序の調査を加えた。
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Strategy for Future Research Activity |
各年度の小課題の入れ替えは生じるが、大筋は研究計画どおり推進させる。
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Causes of Carryover |
研究課題の入れ替わり等により使用目的・額に変更が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度中に全額を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)