2016 Fiscal Year Annual Research Report
グルタチオンが活性化する植物体内における物質輸送制御システムの分子機構の解明
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26292183
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 進一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00322339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 雄治 弘前大学, 食料科学研究所, 教授 (10321788)
鈴井 伸郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, その他部局等, 主幹研究員(定常) (20391287)
頼 泰樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30503099)
大津 直子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40513437)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グルタチオン / カドミウム / PETIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では植物の根に部位特異的に与えた生理活性ペプチドの一種であるグルタチオンが植物体の地上部へのカドミウムの移行と蓄積を抑制する現象の分子メカニズムを解明してそれらを新たな栽培技術に応用展開するための研究基盤を確立すること目指している。 平成28年度は根におけるグルタチオン合成能を高めたアラビドプシス形質転換体を用いて、それらのカドミウム動態を調べること、アラビドプシスを用いたポジトロンイメージング実験の画像解析を行い、根におけるグルタチオン合成能の差がカドミウム動態に及ぼす影響について調べた。また、アブラナ根タンパク質の分離を行いグルタチオン処理に応答する根タンパク質を同定することを試みた。 アラビドプシスの形質転換体を用いたカドミウム吸収実験・ポジトロンイメージング実験の結果から、植物の根において効果的にグルタチオンが機能する部位を明らかにすることができた。アブラナ根タンパク質の分離・同定実験では複数の根タンパク質がグルタチオン処理によってその存在量を変化させていることが明らかになった。現在はこれらの研究成果を学術論文として公表することに向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験計画をほぼ遂行することができ、実験データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究成果を取りまとめ、学術論文として公表する。
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Causes of Carryover |
これまでに得られた研究結果を研究分担者と共に検討し、学術論文を投稿するためにはより詳細な実験検討を或る部分で行う必要があるという結論に至った。新たな実験を行い、その研究成果を学術論文として発表するために研究期間を延長することを申請した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学術論文に記載するデータを補強するため実験、学術論文を投稿するための研究分担者との研究打ち合わせ、投稿論文の英文校閲・論文掲載料に研究費を使用する予定である。
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