2014 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン凝集ホルモン産生神経の活動操作と運命制御を用いたレム睡眠調節機構の解明
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26293046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 章弘 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (60323292)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 摂食行動 / 飲水行動 / 自発活動 / 視床下部 / メラニン凝集ホルモン / 遺伝子改変マウス / アデノ随伴ウイルス / 薬理遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠に分かれている。必ずノンレム睡眠が先行し、ノンレム睡眠後にレム睡眠が現れる。このノンレムとレムがどのような神経回路によって調節されているのかについてはほとんど分かっていなかった。これまでに、視床下部のメラニン凝集ホルモン(MCH)産生神経活動を光遺伝学を用いて制御可能なマウスの作成に成功し、MCH神経の活動を光を用いて操作するとレム睡眠が約3倍に増加することを見いだした。本研究では、これらのマウスを用いてノンレム睡眠―レム睡眠の調節メカニズムを個体動物を用いて詳細に解明することを目的としている。MCH神経は元々摂食行動を促進すると考えられていたことから、MCH神経活動を操作したときの摂食代謝などエネルギー恒常性における作用について解析した。MCH神経特異的な長時間の活性化を行うために、薬理遺伝学を用いた。MCH-tTAマウスとアデノ随伴ウイルス(AAV-TetO hM3Dq)を用いて、MCH神経特異的にhM3Dqを発現させ、クロザピンNオキサイド(CNO)投与によって、MCH神経を持続的に活性化させ、その時の摂食代謝を測定した。免疫組織化学的解析によって、MCH神経特異的にhM3Dqが発現していることを確認し、CNO投与後に神経活動上昇のマーカーであるcFosが発現していることを確認した。また、脳スライスパッチクランプを用いた解析から、CNO投与によって神経活動が持続的に亢進することを確認した。次に丸ごとの個体を用いて、MCH神経を活性化させ、行動を解析した。CNO投与後に摂食行動、飲水行動、自発活動量、代謝のいずれにおいても大きな変化は認められなかった。これらのことはMCH神経が摂食代謝行動にはあまり関わっていないことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定をほぼ達成しており、計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
メラニン凝集ホルモン産生神経の生理的役割を明らかにするために、摂食・飲水・代謝などの行動以外の生理機能について検討を行う。特に、事前の検討で関与が考えられる記憶形成などの行動への関与について中心的に解析を行う。光遺伝学、薬理遺伝学を用いた解析を中心に進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
メラニン凝集ホルモン産生神経特異的にtTAを発現する遺伝子改変マウスの繁殖が悪く、実験に使用するマウスの数が限られており、電気生理学的実験を次年度に行うことにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスの繁殖に成功し、電気生理学的解析に用いる十分な数が整い次第、電気生理学実験を開始する。
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Research Products
(26 results)