2016 Fiscal Year Annual Research Report
Post-GWAS study for identification of druggable target of AF
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26293052
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不整脈 / 心房細動 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画と補完的な関係にあるAMED「個別化医療実現化プロジェクト‐不整脈」で行っている心房細動関連遺伝子の探索で、新たに行った第3期genome-wide association study(GWAS)より新たに6つのコモン多型、exon-wide association study(EWAS)により2つのレア多型が同定された。特に、レア多型はエクソンにあることからタンパク質のアミノ酸を変異するSNPであり、オッズ比がそれぞれ3強、25弱と単一SNPとしては極めて高く、すなわち心房細動と関連が強いことが示唆された。そこで、平成28年度はこれらの遺伝子およびSNPの機能を心房筋由来細胞株HL-1を使ったin vitro実験で検討した、前者の分子は、アンジオテンシンII受容体-NADPH oxidaseの間に位置する分子であり、アンジオテンシンII刺激により活性酸素産生を増強すること、心房細動関連SNPを導入することによりアンジオテンシンII刺激による活性酸素産生がさらに増強することが明らかとなった。アンジオテンシンII刺激誘導活性酸素は心房細動発症と関連することがすでに明らかとなっており、有望な新たな創薬標的と考えられた。後者の分子は心筋にはほとんど発現せず心臓神経節に発現した。そこで、同遺伝子を神経細胞株Neuro2Aに導入すると交感神経への分化を意味するチロシンヒドロキシラーゼ(TH)発現が増加した。同分子に心房細動関連SNPを導入すると、TH発現がさらに増強した。自律神経も心房細動発症に関与することが明らかとなっているので。こちらも有望な新たな創薬標的と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画と補完的な関係にあるAMED「個別化医療実現化プロジェクト‐不整脈」で行っている心房細動関連遺伝子の探索で、新たに行った第3期genome-wide association study(GWAS)より新たに6つのコモン多型、exon-wide association study(EWAS)により2つのレア多型が同定された。これらを本研究計画の検討標的に加えたところ、レア多型の1つは1つのSNPだけでオッズ比が3強、もう1つのSNPはオッズ比が25弱と心房細動との関連がより強いことから、心房細動の新たな創薬標的としてよりふさわしい可能性があると考え、その解析を進めた。その結果1つのSNPは酸化ストレスの新たな関連分子であることが示唆され、他は交感神経分化に関することが示唆され、心房細動の新たな創薬標的としてふさわしいことが示唆された。このように、補完的関係にある研究課題の新たな成果を取り入れることにより、心房細動創薬としてよりふさわしい標的が2つ同定されてきたことから、当初の予定に比べてより進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度までの研究で、exon-wide association study(EWAS)から同定された2つのレアSNPと心房細動との関連が心房筋由来細胞株HL-1を使ったin vitro検討から明らかにすることができた。平成29年度は、これらの遺伝子多型を有するノックインマウスを作成し、これらを使ってin vivoで心房細動との関連を検討する。1つはアンジオテンシン-II受容体-NADPH-oxidaseの経路に関する分子のSNPであることから、アンジオテンシンII刺激に対する応答、特に心房細動誘発に対する影響を検討する。他はin vitro実験から自律神経の交感神経への分化に関わる分子であることが示唆されたので、同ノックインマウスで交感神経刺激に対する応答性、特に心房細動誘発に対する影響を検討する。
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Causes of Carryover |
本研究計画と補完的な関係にあるAMED「個別化医療実現化プロジェクト‐不整脈」で行っている心房細動関連遺伝子の探索で、新たに行った第3期genome-wide association study(GWAS)より新たに6つのコモン多型、exon-wide association study(EWAS)により2つのレア多型が兵セ28年度途中に同定された。特に、レア多型はエクソンにあることからタンパク質のアミノ酸を変異するSNPであり、オッズ比がそれぞれ3強、25弱と単一SNPとしては極めて高く、すなわち心房細動と関連が強いことが示唆された。この解析をすることが、本研究計画の目的達成に不可欠と考えられたので、これを平成29年度に行うこととしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度までの研究で、exon-wide association study(EWAS)から同定された2つのレアSNPと心房細動との関連が心房筋由来細胞株HL-1を使ったin vitro検討から明らかにすることができた。平成29年度は、これらの遺伝子多型を有するノックインマウスを作成し、これらを使ってin vivoで心房細動との関連を検討する。1つはアンジオテンシン-II受容体-NADPH-oxidaseの経路に関する分子のSNPであることから、アンジオテンシンII刺激に対する応答、特に心房細動誘発に対する影響を検討する。他はin vitro実験から自律神経の交感神経への分化に関わる分子であることが示唆されたので、同ノックインマウスで交感神経刺激に対する応答性、特に心房細動誘発に対する影響を検討する。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Intravital imaging of Ca2+ signals in lymphocytes of Ca2+ biosensor transgenic mice: indication of autoimmune diseases before the pathological onset2016
Author(s)
Yoshioka S, Usami T, Kikuta J, Ishii M, Sasano T, Sugiyama K, Furukawa T, Nakasho E, Takayanagi H, Tedder T, Karasuyama H, Kiyawami A, Adachi T
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Journal Title
Science Reports
Volume: 1
Pages: 18738
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Genetic defects in a His-Purkinje system transcription factor, IRX3, cause lethal cardiac arrhythmias2016
Author(s)
Koizumi A, Sasano T, Kimura W, Miyamoto Y, Aiba T, Ishikawa T, Nogami A, Fukamizu S, Sakurada H, Takahashi Y, Nakamura H, Ishikura T, Koseki H, Arimura T, Kimura A, Hirao K, Isobe M, Shimizu W, Miura N, Furukawa T
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Journal Title
European Heart Journal
Volume: 37
Pages: 1469-1475
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Novel dielectric coagulation identifies hypercoagulability in patients with a high CHADS2 score without atrial fibrillation2016
Author(s)
Hasegawa Y, Hamada S, Nishimura T, Sasaki T, Ebana Y, Kawabata M, Goya M, Isobe M, Koyama T, Furukawa T, Hirao K, Sasano T
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Journal Title
PLoS One
Volume: 11
Pages: e0156557
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Embryonic type Na+ channel beta-subunit, SCN3B masks the disease phenotype of Brugada syndrome2016
Author(s)
Okata S, Yuasa S, Suzuki T, Ito S, Makita N, Yoshida T, Li M, Kurokawa J, Seki T, Egashira T, Aizawa Y, Kodaira M, Motoda C, Yozu G, Shimojima M, Hayashiji N, Hashimoto H, Kuroda Y, Tanaka A, Murata M, Aiba T, Shimizu W, Horie M, Kamiya K, Furukawa T, Fukuda K
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 34198
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Individual evaluation of whole blood coagulability and factor Xa activity by novel dielectric blood coagulometry2016
Author(s)
Sasano T, Hamada S, Hasegawa Y, Nishimura T, Yoshitake T, Shiohira S, Sasaki T, Kawabata M, Goya M, Isobe M, Furukawa T, Hirao K
Organizer
第63回日本不整脈心電学会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター、札幌市、北海道
Year and Date
2016-07-17
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[Presentation] Gene-Guided Therapy in A2016
Author(s)
Furukawa T, Liu L, Ebana Y, Nitta J, Takahashi Y, Miyazaki M, Isobe M, Tanaka T
Organizer
Heart Rhythm Society's 37th Annual Scientific Sessions
Place of Presentation
San Francisco, USA
Year and Date
2016-05-06
Int'l Joint Research / Invited
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