2014 Fiscal Year Annual Research Report
二国間経済連携協定に基づく外国人看護師の受入れ―摩擦と共生
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26293113
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平野 裕子(小原裕子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 俊 清泉女子大学, 文学部, 教授 (10448409)
小川 玲子 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (30432884)
坪田 邦夫 明治大学, 農学部, 教授 (40432885)
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
藤崎 郁 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (30285358)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済連携協定 / 外国人看護師 / 外国人介護福祉士 / 国際労働力移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、以下の研究に着手し、結果を得た。 1.経済連携協定に基づき、来日するフィリピン人、インドネシア人、ベトナム人看護師・介護福祉士候補者の調査 平成26年度に入国した、フィリピン人(第6陣)、インドネシア人(第7陣)、ベトナム人(第1陣)に対し、それぞれの母語に翻訳した同一の調査票(属性・来日動機・抑うつ尺度等)を用いて調査を行った。属性や来日動機については、国ごとに、分布に差がみられることが明らかになった。また、同一国籍の看護師候補者・介護福祉士候補者の間の比較を行ったところ、看護師候補者に比べ、介護福祉士候補者は、自分が日本で行う仕事についてよく理解していない人が、インドネシア人とベトナム人で多い傾向にあった。フィリピン人では、職種別に大きな差は見られなかった。また多変量解析の結果、フィリピン人候補者には抑うつ度を規定するモデルの適合度が高い反面、インドネシア人、ベトナム人においては適合度が低いことが明らかになった。これらのことから、国別に、抑うつ度の構造が異なることが示唆された。 2.これまでの研究の成果発表 1.の調査の前に行っている調査の成果を踏まえ、平成26年度の調査結果を分析し、国内外の各学会のシンポジウムやラウンドテーブルディスカッションを企画した。シンポジウムやラウンドテーブルディスカッションには、共同研究者のみならず、広く一般からの発表を公募し、国境を越える医療人材に関する調査研究を日本から世界に発信することに努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外国人に対する調査は順調である。今後は受け入れ病院・施設側の日本人に対する調査を重点的に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、引き続きフィリピン、インドネシア、ベトナムにおいて、来日前調査を行い、来日する外国人看護師・介護福祉士の属性の推移についてフォローする。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行った調査研究の成果を英文誌に投稿予定であったが、執筆が遅れており、英文校正費用、投稿費用に使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に行った調査研究の成果を英文誌に投稿予定であった論文を完成させ、英文校正費用並びに、投稿費用に使う予定である。
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Research Products
(38 results)