2014 Fiscal Year Annual Research Report
PETとNIRSの融合による新たな認知症診断法の開発
Project/Area Number |
26293133
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (40280820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | PET / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の平成26年は、本研究を進める上で重要なPET用アミロイドβイメージング薬剤である[C-11]BF-227および[F-18]FACTのヒトのPETデータを詳細に解析し、その脳内特性を特定した。 その結果、[C-11]BF-227と[F-18]FACTは、非常に類似した化学形にもかかわらず、その脳内動態が大きく異なることを明らかにした。 また、PETとNIRSの重ね合わせのためのソフトウェアとして、光学式トラッキング装置であるPOLARISを用いて、任意の位置においたマーカーの三次元的な位置を把握し、それを記録するソフトウェアの開発を行った。本ソフトウェアは視野内の複数のマーカーを同時に測定でいる使用とし、NIRSの測定中もその位置を記録できるようにした。 さらに、購入した三次元位置計測システムのセットアップを行い、本研究で開発するソフトウェアとの融合のための準備を行った。 また、NIRS測定中の被検者への刺激提示システムを開発した。本システムは、NIRS装置への入力端子を持っており、刺激提示とNIRS測定が同期を取れるようにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初次年度以降に予定していたPETアミロイドイメージングβプローブの動態解析に関して、本年度に一部進めることができた。一方、動きモニタリングソフトウェアの開発は進められたものの、当初予定していた、ソフトウェアの精度評価はまだ行われていないので、本年度に評価を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度で開発したPET-NIRS融合システムの検証のために、頭部模擬ファントムおよびマー カーを用いて、精度評価を行う。まずは、PETおよびNIRSに感度のあるファントムを利用し、さまざまな三次元的な位置において、どの程度、位置を正確に捉えることができるかを検証する。その際には、三次元デジタイザーを利用し、客観的な比較評価を行う。この精度評価の結果を踏まえて、より精度の高い融合ソフトウェアとしてシステムの改良を加える。 学内課題採択委員会及び倫理委員会で承認された後、健常人を用いたPET及びNIRS実験を行う。被検者には、検査前に十分な実験の説明を行ない、了解が得られて、自発的に参加してくれる者のみを対象者とする。また、実験には常に医師が立ち会い、実験中問題が生じた際には直ちに処置を施す。 被検者は、あらかじめ、NIRSセンサーを装着した状態で、3Dデジタイザーによりセンサー位置を特定しておく。 そして、NIRSセンサーを装着したまま、PET装置内に横臥して検査を行う。言語タスクを与え、安静時、タスク負荷時それぞれの時点で、O-15水投与によるPET撮像を複数回施行し、同時に、NIRSによるデータ収集も行う。 検査中の被験者の頭部位置は本システムにより常時モニターし、PETとNIRSの位置合わせを経時的に行う。得られた PETおよびNIRSデータを統計解析し、2つのデータの比較を行う。O-15水-PETのデータは神経活動と一致することが期待されるため、PETとNIRSの結果が相似であることを確認する。 前年度および今年度の研究成果を学会(日本核医学会、米国核医学会等)で発表する。 次年度に行う臨床研究のための倫理委員会の資料を準備する。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた開発システムの精度評価実験が、システム開発の遅れにより、行うことができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発システムの精度評価のための実験に用いるファントム等の購入を次年度に行うこととする。
|
Research Products
(1 results)