2015 Fiscal Year Annual Research Report
PETとNIRSの融合による新たな認知症診断法の開発
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26293133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PET / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではPETとNIRSのデータを複合することにより、より高精度な認知症脳画像診断を行うことを目的とするが、平成27年度は本研究に関連する以下の3つのことを行った。 1. PETとNIRSの同時測定の臨床実験の開始、2. 光学式トラッキング装置によるマーカー追跡ソフトウェアの開発とNIRS用マーカの設置の最適化、3. アミロイドPETデータ解析の最適化
1. に関しては、[18F]FDGを被験者に投与し、PET撮像を行い、一定時間後、もう一度、[18F]FDGを投与する。この投与と同時に被験者にさまざまなタスクを実行させ、その間の脳血流量の変化をNIRSによって測定する。その後、PET撮像を行い、賦活後の脳糖代謝の変化を調べた。この実験中、光学式トラッキング装置で被験者の頭部の位置をモニターし、PETとNIRSの重ね合わせを行った。 2. 光学式トラッキング装置によるマーカー追尾ソフトウェアの更新を行い、複数のポイントを同時に追尾できるようにした。本ソフトウェアを用いて、マーカーのサイズ、位置が最も精度高く測定できる条件を求めた。 3. 認知症PET診断薬であるさまざまなアミロイド薬剤の性状を調べ、その違いにより、最も検出能に優れた薬剤の探索を行った。このために、薬剤の体内動態を求める上で重要である、血漿中の非タンパク結合率を複数のアミロイドPET薬剤で調べた。その結果、核種によって、非タンパク結合率が大きく異なることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通り、概ね進められている。本年度、システム評価用のファントムが完成したが、まだ十分なテストが行われていないため、平成28年度にシステム評価を集中して行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、1. 臨床実験、2. ファントム実験、3.データ解析を今後進めて行く。平成27年度からはじまった臨床実験を継続し、本システムでPETとNIRSの融合ができていることを臨床データで実証する。また、ファントム実験を行い、さまざまな条件、例えば、深度や位置、信号の強さなどを可変させ、PETとNIRSの同時測定においてどこまで精度よくできるかを確認する。さらに、複数のアミロイドPET薬剤のデータ解析を行い、もっとも有効な撮像条件を、薬物動態の観点から求める。これらの結果を学会発表および論文で発表する。
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Causes of Carryover |
計画していたファントムによる評価実験に必要な物品が平成27年度中に揃わなかったため次年度に購入することとした。また、予定していたPETのデータ解析に関する論文に関わる経費が、平成27年度は論文化までに至らなかったため、経費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ファントム実験に必要な物品を平成28年度に購入し、実験を遂行する。また、平成28年度にPETのデータ解析に関わる研究の論文としてまとめ、公表する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Quantitative kinetic analysis of PET amyloid imaging agents [11C]BF227 and [18F]FACT in human brain2015
Author(s)
Shidahara, Miho and Watabe, Hiroshi and Tashiro, Manabu and Okamura, Nobuyuki and Furumoto, Shozo and Watanuki, Shoichi and Furukawa, Katsutoshi and Arakawa, Yuma and Funaki, Yoshihito and Iwata, Ren and Gonda, Kohsuke and Kudo, Yukitsuka and Arai, Hiroyuki and Ishiwata, Kiichi and Yanai, Kazuhiko
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Journal Title
Nuclear Medicine and Biology
Volume: 42
Pages: 734-44
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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