2015 Fiscal Year Annual Research Report

胸腺若年再生による前臨床大動物での免疫寛容誘導新戦略：宿主骨髄と胸腺外因子の役割

Research Project

Project/Area Number	26293292
Research Institution	Kyoto Prefectural University of Medicine
Principal Investigator	昇修治京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30433288)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	山田和彦鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター臓器置換・異種移植外科分野, 教授 (40241103) 佐原寿史鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター臓器置換・異種移植外科分野, 准教授 (90452333)
Project Period (FY)	2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords	移植・再生医療 / 前臨床研究 / 免疫寛容 / 胸腺 / ミニブタ
Outline of Annual Research Achievements	平成26年度に老年宿主に若年骨髄および若年胸腺を移植し、若年骨髄が若年胸腺が老年宿主の環境下での胸腺の萎縮を抑制すること、更にその胸腺内IGF1Rの発現が維持されることを示した。また、若年宿主に移植し、若年化した老年胸腺はIGF1Rの発現が増加するのに反して、LHRHアゴニストで若年化した老年胸腺はIGF1Rの発現の増加はないことを示した。平成27年度は、目的２「加齢宿主での免疫寛容誘導に対し、胸腺若年化および宿主骨髄の中枢性若年化が必要であるかを明らかにする」ために、前記の（１）老年宿主に若年骨髄および若年胸腺を移植し、若年骨髄によって老年宿主の環境下で、移植若年胸腺の萎縮が抑制された宿主と、（２）LHRHアゴニストにより胸腺が若年化した宿主に対し、同種腎移植を行い、免疫誘導性を検討した。同種移植の免疫誘導には、胸腺が操作されていない若年宿主において100％の確率で免疫抑制を誘導しえる高濃度カルシニュリン抑制剤短期療法を用いた。この結果、LHRHアゴニストにより胸腺が若年化された老年宿主では、移植された同種腎臓はすべて拒絶された。しかし、若年骨髄を移植することで胸腺の若年性を維持しえた老年宿主では、移植された同種腎臓は安定した植腎機能を維持した。一方、対照例となる胸腺を操作していない老年宿主は、同種移植腎を拒絶した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 平成27年度は目的2に進み、予想される結果が得られ、円滑に実験が進められている。
Strategy for Future Research Activity	平成27年度の結果を踏まえ、本前臨床実験の結果を臨床へ役立てるために、胸腺による免疫寛容誘導に主導的役割を示す胸腺内細胞とその年齢因子へ総括的検討を進める。