2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム改変技術を基盤とする骨粗鬆症の病態解明と再生医療
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26293340
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨・軟骨代謝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症は多因子遺伝病であり、骨粗鬆症に関連した多くのSNPsが見出されている。骨密度と高い相関を示すSNPsについて、どのような分子メカニズムでフェノタイプの違いに結びつくのかは、遺伝的素因と病態発現機構、個別化医療の観点から極めて重要であるが、これまでのところ全く分かっていない。そこで本研究では、ゲノム改変技術と体細胞リプログラミング技術を用いて、これらのSNPのみが異なるヒト細胞のペアを作って分化能とシグナル伝達等を比較し、上記のメカニズムの解明につなげる。すでに種々の細胞株と正常細胞についてゲノタイプを決定し、またCRSPR Cas9システムで上記のSNPを改変するためのベクターを構築し、ゲノム改変を行っている。本研究の成果は、SNPsとフェノタイプの関連に新しい理解を加えるのみならず、テーラーメイド遺伝子矯正再生医療につながるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、TALENを用いたゲノム改変を予定していた。しかしより新しいゲノム改変技術であるCRISPR-Cas9技術が確立し、TALENよりも効率が高く簡便迅速な手段として取って代わるに至った。そこで本研究でも、TALENに換えてCRISPR-Cas9を用いることこととした。効率高くゲノム改変が可能となったので、ゲノム改変されていない細胞クローンを多数解析しなければならないという必要性が減ったため、当初の計画と同等あるいはそれ以上に、研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム改変前後の細胞から骨芽細胞を誘導し、誘導能、Wntシグナル、骨基質形成能等のフェノタイプを比較する。エピゲノム解析とスプライシングバリアントの解析等を行って、SNPの違いによるフェノタイプ変化のメカニズムを解明する。得られた細胞を動物に移植して骨形成能を評価する。骨粗鬆症モデルに移植することにより、テーラーメイド・ゲノム改変遺伝子再生医療の可能性を探索する。
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Research Products
(5 results)