2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26293388
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
平出 敦 近畿大学, 医学部, 教授 (20199037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 愛恵 近畿大学, 医学部, 助手 (50447942)
西内 辰也 近畿大学, 医学部, 准教授 (60588804)
田口 博一 近畿大学, 医学部, 講師 (90445669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 救急蘇生 / ワークフォース / トリアージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で主要な目標としていた救急医療におけるワークフォースに関する検討については、1年目は全国規模の調査よりも、ある程度、絞った範囲で開始するのが適当と判断した。現地の状況を調査して後、現地調査の資料整理等により調査内容を決定して、アンケート項目に入れ込んだ。病院内のワークフォースに関して調査に応じていただける病院は、限られており、現時点で大阪79、奈良15、広島45、福井6の病院が回答に応じてくれたが、回収率は現時点で順番に15%、19%、18%、8%と苦闘している。しかしこの限られた内容からも注目すべき情報が得られている。これらの医療機関では、CTの撮影ができる医療機関は85%、MRIも64%にも達している。今回、回答を寄せてくれた医療機関が、救急に対する施設的な体制が整った医療機関であることがわかる。実際に平日、日勤帯の救急受入れにかかわる医師は、平均6.8±31.8人であった。一方、平日の夜間は、平均2.4±3人であり、日曜日は2.2±2.2人となっている。問題点として、通常の日勤勤務を終わって当直に入っている病院は84%にも上っており、当直勤務終了後、通常の日勤勤務している医療機関が70%に達している。一人の医師にかかわるワークフォースの負担が大きいことが推測できる。現時点の考察として、我が国ではCT、MRIなどの画像診断は、他の先進国に比較してずば抜けて密に配備されていることが以前より指摘されているが、救急医療を担うワークフォースに関しては、問題があることが示唆された。少なくとも医師に関しては、一人一人の負担が加重ではないかと推測される。なお、検討中の調査研究であり、さらに深い分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療機関からの回収率が低いが、これ自体は、あらかじめ予想されたことであり、さらに救急医自身にも短いアンケート調査をおこなうなど、調査を進めており、おおむね順調に進展しているとみなしている。また、個々のワークフォースに関する検討、特に救急救命士などの病院前の視点からの分析、救急を支援する薬剤師の養成に関する検討は進展している。薬剤師の養成に関する検討は、学会発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
医療機関からのアンケートの回収は、医療機関のワークフォースに関しては、あまり実態を明らかにしたくない部分があること、医事課などの事務担当者か回答できるように工夫したものの、やはり詳細な回答に関しては、回答に負担が重い、などの問題があり、回答率が低かったものと考える。そこで今後の、研究の推進方策として、救急を担う医師に対しても、短いアンケートをするなど、角度を変えた調査を行うとともに、回答者の負担を軽減したアンケート調査を工夫していく策を講じていきたい。個々のワークフォースに関する検討、特に、救急を支援する薬剤師の養成に関する検討は、さらに積極的に推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額に関しては、ごくわずかである。消耗品等の使用に関して、若干の余剰が生じたことから、この分を次年度使用額にまわしたものであり、補助金の使用にあたっては、おおむね順調に進んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入にあてる調整費用であり、次年度においても、ほぼ計画通り使用することで、問題はない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Effectiveness of prehospital Magill forceps use for out-of-hospital cardiac arrest due to foreign body airway obstruction in Osaka City2014
Author(s)
Sakai, T. Kitamura, T. Iwami, T. Nishiyama, C. Tanigawa-Sugihara, K. Hayashida, S. Nishiuchi, T. Kajino, K. Irisawa, T. Shiozaki, T. Ogura, H. Tasaki, O. Kuwagata, Y. Hiraide, A. Shimazu, T.
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Journal Title
Scand J Trauma Resusc Emerg Med
Volume: 22
Pages: 53
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 救急に強い薬剤師養成コースの開発2014
Author(s)
窪田 愛恵, 田口 博一, 西内 辰也, 今村 武尊, 木下 潤一, 下田平 和子, 橋本 英之, 井上 知美, 小竹 武, 平出 敦
Organizer
第17回日本臨床救急医学会
Place of Presentation
自治医科大学
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
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