2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜の血行性幹細胞供給とその分化過程を追跡するイメージングシステムの開発
Project/Area Number |
26293407
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯根膜 / 血行性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では歯根膜組織における骨髄由来間葉系幹細胞の存在と組織維持への寄与を明らかにするために、Green Fluorescence Protein(GFP)にて標識された骨髄細胞を大腿骨に移植し、一定期間後の歯根膜組織におけるGFP陽性細胞の存在と局在について解析を行った。歯根膜は血管が豊富で代謝回転が早いこと、歯根膜周囲の歯槽骨には骨髄が豊富であることの理由から、遠隔骨髄からの細胞供給を検出するために、放射線照射は行わず、以下の系を用いた。8週齢の免疫不全ラット(F344/NJcl-rnu)の大腿骨骨髄に同週齢のGFPラット(SD-Tg (CAG-EGFP))から採取した骨髄間質細胞を移植する。移植4週間後に組織標本を作製し、歯根膜組織におけるGFP陽性細胞の検出を行った。さらに各種細胞マーカーを用いて、GFP陽性細胞中の間葉系幹細胞、神経堤幹細胞、造血系幹細胞、周皮細胞について組織学的に解析を行った。 さらに歯根膜に供給された骨髄由来細胞の組織内での分化能を明らかにするために、歯の再植実験を行った。移植4週間後に上顎左右第一臼歯を抜歯し、即時に再植した。治癒過程、および治癒期間後に組織標本を作製して歯根膜組織におけるGFP陽性細胞の検出を行い、創傷治癒における骨髄由来細胞の寄与について解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた歯根膜組織中の大腿骨由来GFP陽性細胞の検出に成功しており、ほぼ予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験の結果から、血行性に供給された間葉系幹細胞が歯根膜という場において、歯根膜を構成する各種細胞へと分化する可能性を示唆する結果を得ている。この現象を培養系にて再現するために共培養法を用いる。ヒト歯根膜細胞を培養皿(直径35mm)に播種し、アスコルビン酸存在下にて2週間培養し、歯根膜細胞/マトリックス複合体(細胞シート)を作製する。この歯根膜細胞シート上にGFPラット骨髄から分離した骨髄幹細胞を播種し、その分化過程を解析する。更に歯根膜線維芽細胞への分化が歯根膜の基質によるものなのか、細胞が分泌する液性因子によるものであるかを明らかにする為に、骨髄間質細胞を直接歯根膜細胞シート上に播種するものだけでなく、トランスウェルを用いて液性因子による影響についても解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた顕微鏡が、配分された予算額においては十分なスペックの物品が購入できなかったため、現状では学内他分野の設備を使用している。該当予算については解析費用として使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
顕微鏡購入予定であった予算については残り2年間の解析費用として有効に活用する予定である。
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Research Products
(4 results)