2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜の血行性幹細胞供給とその分化過程を追跡するイメージングシステムの開発
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26293407
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯根膜 / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
咬合機能の維持に重要である歯根膜組織の恒常性は、その極めて早い組織の代謝回転によって維持されており、豊富な幹細胞の存在が重要な役割を果たしている。歯根膜は由来の異なる多様な細胞を含むが、我々はその一部が発生由来とは異なる、血行性に供給された細胞に由来するものであることを示唆する結果を得ている。つまり、発生段階では存在しない幹細胞群が血行性に供給され、歯根膜という“ニッチ”において歯根膜の構成細胞へと分化する幹細胞の分化メカニズムが存在する。本研究の目的は、歯根膜組織において血行性に供給される幹細胞の分化過程を明らかにし、その分化過程を歯根膜器官培養法とライブイメージングを用いて解析することにより、歯根膜への全身的な細胞供給システムと、歯根膜の再生へとつながる細胞分化メカニズムを明らかにする事である。 これまでに大腿骨骨髄から歯根膜への血行性細胞遊走ならびに遊走細胞の一部は間葉系幹細胞マーカーを発現していた。さらに骨髄由来細胞数は歯の再植により増加した。また骨髄由来細胞の遊走はSDF-1/CXCR4 axisによって制御されていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた骨髄由来細胞の歯根膜への遊走メカニズムについて、SDF-1/CXCR4 axisが関わることを明らかにし、これまでの成果を学術論文に投稿中であり、進捗状況は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は歯根膜へと遊走した骨髄由来幹細胞の歯根膜細胞への分化メカニズムを解析する予定であり、歯根膜細胞培養上清を用いた細胞の文化誘導により、歯根膜特異的発現遺伝子の解析を行う。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を予定した顕微鏡が購入できなかったため、昨年度に続き繰越し金が生じている。余剰金の一部は本年度、分光光度計の購入費用に充当した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた繰越し金は解析費用として有効活用する。
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Research Products
(4 results)