2015 Fiscal Year Annual Research Report
学部および大学院教育における放射線看護教育カリキュラムの開発研究
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26293456
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
草間 朋子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (50134523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10611171)
熊谷 敦史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40448494)
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
伴 信彦 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70251220) [Withdrawn]
加藤 知子 東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (50735610)
桜井 礼子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70305845)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線看護教育 / 看護基礎教育 / 看護現任教育 / 放射線看護学 / 医療被ばく / 緊急被ばく医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会において放射線は不可欠なものとなっているにも拘わらず、医療保健福祉の専門職である看護職の放射線、放射線被ばく、放射線の健康影響・リスク等に対する関心は低く、知識等の不足が指摘されている。本研究を通して、看護教育の中に「放射線看護」に関する教育を取り入れることの必要性を指摘し、看護基礎教育課程およびAdvance教育における具体的な教育内容や教育方法などについて検討してきた。 平成27年度は、以下の3つ調査研究等を実施した。①放射線科医師178名および診療放射線技師1089名を対象に、放射線の医療領域および、原子力災害発生時の看護職に期待する役割等について自記式質問紙調査を行った。調査の結果、医療領域では、全ての放射線診療に看護師が係っており、患者からの質問に的確に応えられること、放射線診療中の患者さんの急変時などの応急処置ができること、看護師自身の放射線防護ができることなど看護師への期待は極めて大きいことが明らかとなった。原子力災害時も、避難所での対応、復興に向けての対応などの期待が大きいことが明らかとなった。②放射線利用のさまざまな領域で、患者あるいは被災者と直接向き合う看護職に必要とされる放射線の知識を盛り込んだテキスト(「看護と放射線」)を作成した。テキストには、放射線を可視化して看護職の放射線の理解を促進することを目指して、「演習編」を盛り込んだ。本テキストは、看護の基礎教育課程のテキストとして利用されることを期待している。③保健師に対する「放射線看護」教育の内容と教育方法等について検討するための情報を入手するために、2011年に発生した原子力災害被災地で復興に向けて活躍している保健師、9名を対象にしたインタビューを行い、保健師に必要とされる放射線に関する知識を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
さまざまな領域、とくに医療領域での放射線利用を、医療を受ける側も医療を提供する側も安全・安心して推進していくためには、患者にとって最も身近な存在である看護職が放射線や放射線被ばくに関する知識・技術を習得することが必要と考え、看護の基礎教育の中に「放射線看護」に関する教育を取り入れるための検討を進めている。現在までに、①教育カリキュラムの検討、②放射線看護に関する教育に必要とされる器材の整備、③教育に利用するテキストの作成まで進めることができ、順調に進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①「放射線看護」教育(学部教育)を担当できる人材(教員)の養成が不可欠であると考えている。そこで、平成28年度には、平成26,27年度の研究成果を活用して研修会等を開催し人材育成の方法等を検討する。②原子力立地県の原子力防災等における保健師の役割に関する実態調査を行い、原子力防災・減災や国民保護法へ保健師の役割を明らかにする。③平成27年度および本年実施する予定の保健師に関する調査の結果などを踏まえ、保健師に必要な放射線リスクなどの知識を明確にし、Advance 教育(大学院教育など)の内容等を検討する。それに基づく研修会等を開催し、効果的・効率的な教育のありかたを提案していく。④保健師に対する放射線リスク境域に必要なテキストを作成する。 成果について、日本放射線看護学会、日本保健物理学会などの学術集会で発表する。
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Causes of Carryover |
放射線教育カリキュラムを検討するにあたり、実際に演習実施するために回診用X線撮影装置一式を購入したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
放射線に関する演習にて使用する
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Research Products
(1 results)