2014 Fiscal Year Annual Research Report
NICUにおける痛みのケア向上のための実際的教育プログラムの開発
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26293471
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横尾 京子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 名誉教授 (80230639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 未緒 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (80611318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新生児看護学 / NICU / 痛み / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新生児の痛みのケアを向上させたいというNICU看護師のニーズに応えるため、また、痛みのケアガイドラインが広く受け入れられるよう、NICUにおける痛みのケアに関する実際的な教育プログラムを開発することである。そのため平成26年度は、文献検討及び諸外国のガイドラインの分析を行い、NICU看護師と親と対象とした質問紙を作成、郵送法による調査を実施し、NICUにおける痛みのケアの実施状況や教育ニースを明らかにした。 NICU看護師への調査:日本新生児看護学会員(加入歴3年以上の臨床看護従事者)205名に調査票を郵送し、123名から回答を得た(回収率60.0%)。調査票は構成型とし、内容は、家族中心のケアの実施状況、痛みの予防・アセスメント・緩和法の実施内容、痛みのケア向上に必要としている能力等とした。その結果、痛みのケアに両親が参加することに肯定的であり、同時に、家族に説明できるだけの痛みのケアに関する知識や技術を獲得することへのニーズが強く示された。 新生児の母親への調査:総合周産期母子医療センター19施設のNIUCに入院している新生児の母親173名に調査を依頼し、106名の母親から回答を得た(回収率61.3%)。調査票は構成型と自由記載型の併用型とし、調査内容は、わが子の痛み体験(痛みの原因と反応、わが子への思い)、医療者による痛みのケアの実施内容、痛みのケアに参加することに対する考え等とした。その結果、約80%の母親は痛みを伴う処置場面に付き添いたいと回答し、その半数は、看護師と一緒に痛みのケアを実施したいと回答し、実施したい緩和法が具体的に示された。 これらの結果から、家族の痛みのケア参加を支え得る教育プログラムが必要であることが明らかになった。来年度は、教育プログラム(案)と評価票を作成し、東京および広島において教育プログラムを実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している理由として、次の2点が考えられる。 第1点:本研究では新生児の親を調査対象者としたため、各協力施設における倫理審査を必要とすることが考えられた。そのため、学内の倫理審査委員会にできる限り早期に提出した、期限内に調査・分析が終わるように時間配分をした。 第2点:研究者2人は、これまでに新生児の痛みに関する研究に取り組んでおり、文献検討や海外のガイドラインの分析、および調査協力の依頼が容易に進んだことも理由として考えられる。 調査に関する英文誌投稿(2誌)は4月の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、文献・海外のガイドライン・平成26年度の調査結果を基に、教育プログラム(案)を作成し、実施する。教育プログラム(案)が概ね出来上がった段階で、新生児の痛みのケアの専門家(研究や実践に取り組んでいる大学や臨床施設の看護師及び医師)10名程度から助言を受け、修正する。また、文献や平成26年度の調査結果を参考に、教育プログラム(案)の評価票を作成する。 倫理審査委員会の承認を得て、教育プログラム(案)を平成28年3月に、広島大学と東京会場で、計2回実施する。1回につき2日間(16時間)、25名程度を全国から募る。 評価はプログラム実施の直前・直後・3か月後.6か月後に行う予定であるので、本年度は、実施直前と直後の評価を実施する。
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Causes of Carryover |
消耗品が少額で購入できたたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費と合わせて、適切に使用する。
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