2015 Fiscal Year Annual Research Report
NICUにおける痛みのケア向上のための実際的教育プログラムの開発
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26293471
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横尾 京子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 名誉教授 (80230639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 未緒 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (80611318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新生児看護 / NICU / 痛み / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、NICUにおける痛みのケアを向上するために、実際的教育プログラムを開発することである。平成27年度は、1)教育プログラム(案)の作成、2)教育プログラム(案)の評価票作成、3)教育プログラム(案)の試行、4)試行前後の調査(評価)を行うことであった。 教育プログラム(案)には10の学習目標を設定し、構成は6単元とした。総時間14時間の内、5.5時間を講義、残り8.57時間を討論・討議・事例検討・ロールプレイとした。評価は、試行直前・直後・3か月後・6か月後とし、質問紙調査とフォーカスグループインタビュによって行うこととした。試行は、広島会場(平成28年3月5~6日)、東京会場(平成28年3月26~27日)において計34名のNICU看護師を対象に行なった。 試行直前と直後において、質問紙調査によって評価を行った。「新生児の痛みのケアに関する知識(35問)」については、直前は5.9±2.3(1~10)、直後は25.5±5.5(15~33)と、得点が著しく上昇した。「学習目標の実施レベルに対する認識(5段階尺度による回答)」については、10の目標すべてにおいて直前よりも直後の方が高値であり、全項目を総合した結果は直前が2.5±1.0(1~5)、直後は3.7±0.7(2~5)であった。「教育プログラム(案)の内容と構成(5段階尺度による回答)」については、「内容は、自分の参加目的を達成する内容である」が4.2±0.7(2~5)、「方法は、自分の参加目的を達成するものである」は4.1±0.7(2~5)、「内容は、臨床で役立つものである」は4.5±0.5(4~5)、「総時間数は自分にとって適当である」は3.4±1.0(1~5)、「各単元の時間配分は自分にとって適用である」は3.6±0.9(2~5)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、NICUにおける痛みのケアを向上させるために実際的教育プログラムを開発することである。そのため、平成27年度までに、教育プログラム(案)および評価票の作成、教育プログラム(案)の試行と試行前後の調査を行うことを計画し、実行してきた。おおむね順調に進展しているのは、研究者2人がこれまでに教育プログラム開発および新生児の痛みに関する研究を行っているため、研究への見通しを立てやすかったことが関係していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、6月に3か月後調査(質問紙による痛みに関する知識・学習目標の到達レベル)および9月に6か月後調査(質問紙調査:3か月と同様の内容、フォーカスグループインタビュー)を行い、総合的に教育プログラム(案)の評価を行う。フォーカスグループインタビューは、「新生児の痛みのケアに関する考え方や行動で変化したこと」「スタッフや病棟で変化したこと」「プログラムの長所・短所」「自施設の研修会での活用可能性」を通して「本教育プログラムが各種研修会で活用され、ガイドライン実践の推進力となり、NICUでの痛みのケアの向上に貢献できる」かどうかを評価する。 全評価結果を受けて、教育プログラム(案)を修正し、NICU医療の専門家の助言を得て、完成させる。また、教育プログラム(案)で使用した教材を修正し、完成した教育プログラム用の講義資料およびテキストを完成させる。本教育プログラム開発に関して、国際学会での発表準備を行う。
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Causes of Carryover |
研究参加者の人数や地域により、旅費と人件費・謝金が予定額よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
完成した教育プログラム用の教材(研修会配布資料・テキスト)作成費に充てる。
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Research Products
(2 results)