2015 Fiscal Year Annual Research Report
若手看護師がバーンアウトすることなく就業継続意思を強めるための新プロセスモデル
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26293486
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北岡 和代 金沢大学, 保健学系, 教授 (60326080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 真也 慶應義塾大学, 看護学部, 准教授 (80291285)
佐々木 恵 北陸先端科学技術大学院大学, 保健管理センター, 准教授 (10416183)
ペルトコルピ ベサマッティ 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (80433762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護師 / バーンアウト予防 / 就業継続意思 / プロセスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:若手看護師(新人-経験5年目)がバーンアウトすることなく、職場に根付き、就業継続意思を強めるための包括的なプロセスモデルを開発することである。就業継続意思を目的変数とするモデル構築をおこなうが、これまで投入されていた職務満足度あるいは組織コミットメントなどの従来の説明変数ではなく、今最も説明力があるとされている新たな概念Job Embeddedness (根付き)を取り入れたモデルを開発することである。 研究実績の概要:・予備調査において収集したデータから、JEモデルと職務満足度及び組織コミットメントを用いた既存モデルとを比較検討した。その結果、日本の看護師を対象とした場合、就業継続意思に対してJEは説明力を十分有するとは言えない結果を得た。・そのため、研究デザインを見直し、JEと就業継続意思との因果関係等を描いている仮設モデルを縦断面から検討することとした。・倫理審査の承認を得た後、ネット調査会社を活用して、ベースラインのデータ収集を終えた。さらに、数か所の病院に調査協力を依頼し、データ収集中である。 研究成果の発表:2015年9月に日本行動計量学会第43会大会、12月に第35回日本看護科学学会学術集会、2016年3月に19th East Asian Forum of Nursing Scholarsにおいて、本研究の研究成果の一部をそれぞれ発表した。また、Rate of burnout among Japanese mental health nurses assessed using the revised exhaustion+1 criterion、Classification of burnout according to the Maslach Burnout Inventory-General Surveyと題した英論文2本を発表した。さらに、回答指示の非遵守と反応バイアスの関連と題した和論文1本と、日本版Areas of Worlife Survey (AWS)-2011年版:個人と職場環境6つのミスマッチ診断の妥当性についてと題した和論文1本が印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施予定であった本調査を平成27年度に実施することができたためである。ただし、研究デザインの変更を行ったため、平成28年度においても追跡調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査において収集したデータから、JEモデルと職務満足度及び組織コミットメントを用いた既存モデルとを比較検討した。その結果、日本の看護師を対象とした場合、就業継続意思に対してJEは説明力を十分有するとは言えない結果を得た。そのため、研究デザインを見直し、JEと就業継続意思との因果関係等を描いている仮設モデルを縦断面から検討することとした。平成27年度において、ベースラインのデータ収集を一部終えることができた。さらに、数か所の病院に調査協力を依頼し、データ収集中である。1年後の追跡調査を実施する予定であるが、その見込みはついている。研究デザインの変更により、研究計画も一部修正されることになったが、当初計画より前倒しで研究を進めていたため、これによる研究実施の遅れは生じない。 今後の研究の推進方策として、研究代表者と分担者間で役割分担をより明確にし、各自の役割を遂行するようにしていく。そのため、会議(メール会議含む)開催時において、研究代表者は各自の役割を明確に示し、同意を得ることとする。また、データ収集の方法としてWeb上調査と共に、縦断的な調査に協力を申し出ている病院を対象にしたデータ収集も併せて行うこととする。
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Causes of Carryover |
今年度の半ば、研究分担者Peltokorpiが所属研究機関を異動した。これにより、新たな研究機関において、購入予定の消耗品等の物品の注文手続きに滞りが生じてしまった事が主な理由である。研究分担者佐々木恵は本研究に関連する情報収集等の目的で学会参加予定であったが、他のエフォートへの負荷が過大となる事態が生じ、取りやめた事が理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者Peltokorpiについては、次年度は新たな研究機関での環境に適応できていることが予測されるため、計画通りに執行できる見込みである。研究分担者佐々木恵とは、既に本研究の成果の一部を発表するための学会参加等の計画を立案している。
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Research Products
(10 results)