2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のエンパワメントを促す介護予防事業従事者向け教育プログラムの開発
Project/Area Number |
26293487
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60334182)
石川 志麻 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (50598919)
宮澤 早織 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80749557)
杉本 知子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00314922)
谷本 真理子 東京医療保健大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70279834)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公衆衛生看護学 / 介護予防従事者 / 高齢者 / エンパワメント / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生活していくための力となるエンパワメントを高める支援を行うための介護予防事業従事者向けの教育プログラムの開発を目指す。 平成27年度は、平成26年度に実施したインタビュー調査(介護予防事業に関わる従事者の教育・研修の実態と課題を調べ、学習ニーズを明らかにすることを目的)の結果を分析した。 自治体担当者9名と委託事業所の従事者10名を分析対象とした。主な結果は、次のとおりである。①19名中18名が介護予防関連研修を受講した経験を有していた。希望する主な研修内容は、「企画・運営に関連する知識・技術」、「運動指導に関連する知識・技術」であった。②高齢者のエンパワメント支援指針の内容について、学習経験があると回答した者は、いずれの項目においても4~6名であった。学ぶ必要性があると回答した者が最も多かったのは、「自己効力感・自尊感情の回復/役割遂行に向かう支援」に関する項目で7名であった。この結果より、従事者の9割は介護予防に関連する研修は受講しており、実践に即活かせる企画力や運動指導能力を求めていることが明らかになった。高齢者のエンパワメントに関連する内容を学んだ経験があると回答した者は3割程度であり、実践においての意識化は十分ではないと考えられた。自己効力感・自尊感情を高める支援については、具体的な支援方法を知りたいというニーズがあることがわかった。 「自己効力感・自尊感情を高める支援」は、エンパワメントの重要な要素であることから、その必要性と具体的な支援方法を教育プログラムに入れる必要性があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査の結果を踏まえ全国調査の必要性についての議論に時間をかけた。その結果、学習ニーズは先行研究の結果も踏まえると、全国調査をしても今回の結果と大きな相違はないという結論に至った。そのかわり、教育プログラムの評価にも活用する高齢者のエンパワメントの評価指標の妥当性と信頼性の検証のための調査の必用性が確認され、計画を修正し、現在その計画を立案している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、9月頃を目途に高齢者のエンパワメントの評価指標の妥当性と信頼性の検証と教育プログラム案を作成する。10月頃から平成29年度前半にかけて教育プログラムを実施し、その効果を検討する。
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Causes of Carryover |
全国調査を実施する予定であったが、その必要性を検討した結果、今回のインタビュー調査により明らかになった学習ニーズと先行研究の結果も踏まえると、全国調査の必要性はないという結論に至った。よって、当初想定していた郵送費や分析委託料が必用なくなった。そのかわり、教育プログラムの評価にも活用する高齢者のエンパワメントの評価指標の妥当性と信頼性の検証のための調査の必用性が確認され、計画を修正し、現在その計画を推進している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の主な使用計画は、高齢者のエンパワメントの評価指標の妥当性と信頼性の検証のための分析委託料、および9月のイギリスでの国際地域看護学会のシンポジウムに参加し、国内外の実践家や研究者とのディスカッションのための旅費、教育プログラム作成のための会議費、研究補助者の人件費等である。
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