2016 Fiscal Year Annual Research Report
アラブ=ベルベル文学の比較地域文化的研究体制の構築
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26300021
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鵜戸 聡 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (70713981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 清子 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 教授 (30329528)
酒井 佑輔 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 講師 (30632591)
青柳 悦子 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (70195171)
武内 旬子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70236420)
茨木 博史 南山大学, 総合政策学部, 講師 (70734515)
柳谷 あゆみ 公益財団法人東洋文庫, その他部局等, 研究員 (90450220)
二村 淳子 鹿児島大学, 共通教育センター, 講師 (20782452)
細田 和江 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80779570)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外国文学(中・英・仏・独除く) / 比較文学 / マグレブ文学 / アラブ文学 / 北アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「比較文化的手法に基づくアラブ=ベルベル文学研究の基盤形成」の実施において、これまでの研究成果を集約・発信し、さらに今後の国際的な共同研究を推進するため、3月25・26日に本邦初の国際アルジェリア文学シンポジウムを東京大学本郷キャンパスにおいて開催した。メインゲストにムールード・フェラウン基金会長アリー・フェラウン氏、ファジア・フェラウンアルジェ大学教授、アシア・ジェバール友の会会長アメル・シャウアティ氏を迎え、日本語通訳付きで講演を広い聴衆に提供することができた。これに若手研究者2名を加えて計5名のアルジェリア人ゲストを招聘したほか、韓国マグレブ文学研究会の協賛によって韓国人研究者4名の参加を得た。また、東京大学文学部現代文芸論に共催として会場提供を頂き、首都圏を中心とした多分野の研究者とともに、一般の文学ファンの参加もあった。在日アルジェリア大使館からもご協力を賜り、ベンシェリフ大使より開会の辞を頂戴したことを特記する。 その他の活動としては、マグレブ文学研究会の例会を開催したほか、各メンバーで学術論文およびコラムなどを個別に出版した(特に鵜戸の論文はマグレブ文学研究の代表的国際学術誌に掲載したものである)。また、研究成果の一般への還元および将来の研究の振興を図るため、水声社の協力のもとにマグレブ文学の邦訳コレクション「エル・アトラス」を立ち上げ、その第一陣となるムルド・フェラウン『貧者の息子』(青柳悦子訳)を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際シンポジウムの開催に関しては、発表者の数・質が当初の想定を上回り、のみならず聴衆の多様性という観点からも、期待を大きく超えるものであった。また出版社や助成金提供者との交渉が必要な翻訳コレクションの刊行についても、期待以上の進展を見せている。個別論文についても順調に執筆・発表されているといえよう。ただ、中東・北アフリカの政治情勢およびヨーロッパの治安状況が当初の予想を超えて不安定なものとなったため、勤務校の指示などもあって、現地調査にかなりの制約を受けざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度開催した国際アルジェリア文学シンポジウムのプロシーディングを日仏バイリンガル版で刊行するなど、過去3年間の研究成果を中途報告するべく集約を行う。その過程で、アルジェリア・フランスの若手研究者、韓国マグレブ文学会との連携をさらに強めるべく、人的および研究業績上の交流の機会を確保していきたい。また、昨今あらたな展開を見せつつあるモロッコ文学の調査も行いつつ、当初の予定どおりベルベル語文化振興との比較で台湾語文学についての現地調査に着手する。そのほか、アウトリーチ活動も兼ねて、一般向けの翻訳コレクションの刊行を継続する(2点出版予定)。
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Causes of Carryover |
年度末に大きな国際シンポジウムを開催したため、不測の事態に備えて予算にすこし余裕が残るように運用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に開催した国際シンポジウムのプロシーディングの印刷費用に充当する。
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Research Products
(18 results)