2014 Fiscal Year Annual Research Report
公的部門における法の担い手の養成と役割に関する比較調査研究
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26301010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 明男 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60206787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和生 立命館大学, 法務研究科, 教授 (00268129)
佐伯 彰洋 同志社大学, 法学部, 教授 (10257793)
三阪 佳弘 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (30219612)
恩地 紀代子 神戸学院大学, 実務法学研究科, 教授 (60399219)
折登 美紀 福岡大学, 法学部, 教授 (80248286)
佐藤 英世 東北学院大学, 法務研究科, 教授 (90205899)
竹中 浩 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00171661)
田中 孝和 姫路獨協大学, 法学部, 准教授 (90441328)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公的部門 / 法の担い手 / 公務員養成 / 法学系高等教育機関 / 実務教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、研究の初年度であるため、研究組織の立ち上げのための研究会を開き、研究分担者の増強充実を図り、当初からの調査対象であるアメリカ、ドイツ、フランスに加えて、ロシア=ソヴィエトとイギリスも調査対象に加える体制を構築した。これにより、公的部門における法の担い手のあり方に関して、東欧諸国を初めとする旧共産圏諸国に強い影響を与えたソヴィエト体制とその後の状況、アメリカと並んで英米法系諸国に対して強い影響力を有しているイギリスの状況を調査することができ、いわゆる旧東側諸国と旧西側諸国の比較、ヨーロッパ大陸諸国とイギリスの対比を加えることにより、幅広い視点から、公務員養成システムと法曹養成システムの関連や法学系出身の公務員の果たす役割を調査できることとなった。 研究代表者と研究分担者において、分担した調査対象国(日本を含む)について、平成27年度に本格的な調査研究を行うための予備的な関連資料収集と予備的な調査研究を行った。その結果を検証するための研究会を開き、各メンバーの調査研究の準備状況を確認し、平成27年度以降の調査研究計画について意見交換を行った。 並行して、アメリカのロースクールにおけるエクスターンシップ、臨床教育、外部講師による科目等の実務教育の実情について、ウォシュボーン大学ロースクールの准教授による講演会を開催し、公的部門への就職を目的とした実務教育が首都から離れたロースクールにおいても充実している状況が確認できた。 研究代表者は、調査研究の主たる対象国の一つであるドイツにおいて、公務員養成システムの拠点大学であるシュパイヤー行政大学院のシンポジウムに参加報告し、参加者と意見交換を行うと共に、シュパイヤー行政大学院教授と平成27年度の調査研究の進め方についても協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各メンバーにおいて、担当する調査研究課題を明確にする作業を行い、それに合わせた資料収集を行った結果、研究会における意見交換により、調査の焦点を調整し、再構成することができた。それに伴い、各メンバーの平成27年度における具体的な調査研究を定めることができた。 また、構成メンバーは、平成27年度において、必要に応じて現地調査を含めた調査研究を行う予定であるが、メンバーの中には所属大学に対して、調査対象国において長期在外研究を行うことを申請し認められた者が複数いる。これにより、科研の予算のみによることなく、充実した環境で調査研究を行い、必要に応じて他のメンバーからの資料収集の求めに応じることもできる体制が構築できた。 さらに、研究代表者がドイツにおける公務員養成拠点大学のシンポジウムに参加し、シンポジウム主宰者と調査研究の進め方について協議し、必要な協力を受けることができることとなった。また、シンポジウム参加者との意見交換を通じて、調査対象国の周辺国の状況を調査する可能性についても協議することができた。 平成27年度の調査研究の成果を受けて平成28年度において、国際シンポジウムを開催することを計画しているが、それについても、研究会において方向性を議論し、関係者と協議を進めることができた。 なお、本科研の出発点となっている平成22年度~24年度の科研調査研究の成果を学術雑誌において順次公表する作業も行い、本科研のメンバーが情報を共有できる体制を作っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度において、各メンバーが分担する調査研究を進めると共に、新たな調査対象としたロシア=ソヴィエトとイギリスを含めた幅広い状況調査を行う。また、必要に応じて、調査対象国の周辺国における状況を比較のために調査する可能性も追求する。 平成27年度においても、年2回の研究会を開催し、調査研究計画の進捗状況を確認し、必要な調整を行う。 並行して、平成28年度に予定する国際シンポジウム開催のための準備作業を進め、調査研究の成果を幅広く検討できるよう調整を行う。 本科研の出発点となっている平成22年度~24年度の科研調査研究の成果の学術雑誌における公表を完結させると共に、本科研HPを開設して、参照できる仕組みの構築を目指す。HPにおいては、各メンバーの調査研究の状況も公開する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、2名分の海外調査を予定していたが、国内における関連資料収集により、調査研究の準備作業を行うことができたために、1名分だけの支出にとどまったことと、資料翻訳を外注により行うことを計画したところ、外注をやめて自分で翻訳することとし、平成27年度における調査研究を充実させるために予算を節約することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度において、海外調査を含む現地調査研究を行うことを予定しており、繰越金はそのために活用する予定である。また、法曹養成・公務員養成に関して造詣の深い外国の研究者が来日した際に、当該国の状況を科研メンバーに解説してもらう機会を設けることにも活用できる。
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Research Products
(26 results)