2016 Fiscal Year Annual Research Report
イラン東アゼルバイジャンにおける世界遺産建造物の耐震診断と補強法に関する調査研究
Project/Area Number |
26303007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮島 昌克 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (70143881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 純史 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (00161597)
鶴来 雅人 一般財団法人地域地盤環境研究所, 地盤防災グループ, グループリーダー (60450912)
吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90210723)
山口 謙太郎 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (10274490)
池本 敏和 金沢大学, 環境デザイン学系, 講師 (60311677)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 減災 / 耐震診断 / 耐震補強 / 想定地震動 / 歴史的建造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、最終年度に予定していた海外研究協力者の研究グループとの耐震セミナーを、先方からの強い要請により開催することになり、10月1日に「地震学と組積石・レンガ槽造歴史的建造物のための地震・地震工学セミナー」をイラン タブリーズ市で開催し、研究代表者および研究分担者3名が研究成果を発表し、意見交換した。 本研究の研究体制は、想定地震動、地盤動特性評価、建造物の診断・補強、避難シミュレーションからなるが、一昨年の現地調査の結果を取りまとめ、急遽、セミナー原稿を作成して発表することになった。 「想定地震動」に関しては昨年度に引き続き北タブリーズ断層を想定断層として、統計的グリーン関数を用いて想定地震は同の作成を行った。この時、想定断層はいくつかのセグメントに分かれうるので、複数のセグメントが同時に破壊するいくつかのケースを設定し、破壊開始点もいくつか設定し、最悪な想定地震動の作成を試みた。 「地盤動特性」に関しては、一昨年実施した対象構造物周辺の常時微動観測と屈折法弾性波探査の結果を総合的に分析し、地盤の動特性評価を行った。 「建造物の診断・補強」に関しては、一昨年実施した、外壁の常時微動観測結果を同定するような建物モデルの構築を試みた。 「避難シミュレーション」に関しては一昨年の現地調査結果で十分な結果が得られなかったので、モデルの構築にとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度に予定していた現地での成果報告を目的とした合同セミナーを、海外研究協力者からの要請で急遽開催することになり、一昨年までの研究成果を急遽取りまとめることとなり、その意味では予想以上に進展したといえるが、今年度予定していた現地計測が実施できなかったので、次年度に持ち越すことになった。全体としては、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
夏季に現地調査を行う予定であり、昨年度予定していた一昨年度に計測したデータの補足を行うとともに、新たに、サーモトレーサーを用いた建物の新たな非破壊検査を実施できないか検討する。もしも検査機器の持ち込みが可能であれば、非破壊検査による耐震診断も試みる。
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Causes of Carryover |
海外研究協力者からの要請で、研究成果の報告を兼ねたワークショップを現地で開催することになったため、諸般の都合で現地に行けない研究分担者がいたので、旅費の一部を次年度に持ち越すことになった。さらに、資料収集のための国内旅費も一部使用できていない研究分担者がいたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日程調整をしっかりと行い、全員が参加できる現地調査の日程を確保して旅費を使用するとともに、最終年度に当たることから、研究成果発表を活発に行い持ち越し分の旅費を有効に使用する計画である。
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