2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the environmental factors that induce perpetual flowering on temperate-zone woody plant at constant climate zone near the equater
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26304021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 宗孝 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40301246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
札埜 高志 兵庫県立大学, その他の研究科, 講師 (40314249)
北村 嘉邦 信州大学, 農学部, 助教 (90578139)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 赤道恒温性地域 / アジサイ / インドネシア / 花成 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアから送付されたアジサイの抽出DNAおよび日本の数品種のアジサイを用いてSSR解析を行った。また、すべてのアジサイについては葉緑体DNAのシークエンス解析によってアジサイの種の決定を行った。その結果、インドネシア産アジサイはmacrophylla系とserrata系に分類できた。SSR解析の結果、インドネシア産アジサイはいくつかのクラスターに分かれた。すなわちインドネシア産アジサイは一つの共通の品種群というよりは一部は日本のアジサイと近いクラスターを形成したことから、複数の育種親に由来する可能性が考えられた。 次に、インドネシア産アジサイと日本産アジサイをインドネシアの環境を模した環境で育成し、開花性を調査した。実験は10月から開始した。日本産、インドネシア産のいずれも休眠することはなかったが、日本産アジサイが20℃以上では開花しないのに対して、インドネシア産は次々と開花している。インドネシア産アジサイの特徴としては、花成誘導に20℃以下の温度が必要ではない、休眠がない、の2点が考えられ、この特徴は日本の四季咲き性品種である‘エンドレスサマー’等の特徴と一致した。しかし、花の形態や植物体の形態は両者で大きく異なっていた。 平成28年度に,18品種でベーサルシュートにおける開花の有無を調査した.その結果,90%以上のベーサルシュートで開花が認められる品種(安定型四季咲き品種),ベーサルシュートでの開花率が個体によって大きく異なる品種(不安定型四季咲き品種),ベーサルシュートで全く開花が認められない品種(一季咲き品種)が存在することを認めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インドネシアとの植物体移動のMTAの契約がようやく完了し、本格的な研究は29年度からスタートとなる。これまで、DNAの提供を受けており、最低限の研究成果を出すことができた。本年度の園芸学会で発表予定である。また、京都大学のファイトトロンでの長期的栽培も順調に進み、花成に関する連続的データも得られている。SSR等については日大や栃木県のグループから情報を頂き、これが研究の進展を可能にした。十分な準備が整ったため、次年度ではより大きな進展が期待できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,草勢が強く,ボゴールでの栽培管理が比較的容易であると考えられる,‘エンドレスサマー’(安定型四季咲き品種),‘マスジャ’(不安定型四季咲き品種),‘舞姫’(一季咲き品種)のシュートを各5本ボゴールに持ち込み,信州大学伊那キャンパスとボゴールとの間で開花性に相違が見られるかどうかを確認する.安定型四季咲き品種の3品種(‘エンドレスサマー’,‘クリスマス’,‘ロゼア’),不安定型四季咲き品種の3品種(‘テマリエゾ’,‘マスジャ’,‘リベラ’),一季咲き品種の3品種(‘グリーンシャドウ’,‘ベントーン’,‘舞姫’)について,4月から10月までの各月に一回,各品種10本のベーサルシュートから最上位の展開葉から葉身の一部を採取し,FTおよびTFL1の発現を解析する.FTおよびTFL1の発現様相とベーサルシュートの開花の有無との関係を明らかにする.次に、我が国で一般的に栽培されている一季咲き性アジサイと四季咲き性アジサイ、ならびにインドネシアで四季咲き化しているアジサイをヒートポンプ等で温度調整する区画で栽培し、温度変化が成長に及ぼす影響を調査する。温度変化を説明因子としたアジサイ成長モデルを構築する。さらに、我が国とインドネシアの気象データおよび地図データ、ならびに四季咲き化を誘導すると推定される温度条件から、アジサイが四季咲き化する地域を整理したマップを作成する。四季咲き化にかかわる遺伝子をRNAseqを用いて推定する。
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Causes of Carryover |
本年度はSSR解析を中心に行ったため、他の遺伝子発現の解析費用を次年度に回すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次世代シークエンス解析費用とする。
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Research Products
(1 results)