2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ在来種を基盤としたトウモロコシのポストハーベスト・ロス低減システム
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26304022
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
小疇 浩 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30374763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 一光 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50526704)
相内 大吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (50552783)
森 正彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60645711)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポストハーベスト・ロス / 育種学 / 応用昆虫学 / 土壌学 / 食品工学 / トウモロコシ / 貯穀害虫 / マラウイ |
Outline of Annual Research Achievements |
まずマラウイ現地圃場試験は平成25年度に開始した堆肥施用栽培したトウモロコシを5月に収穫した。11月には平成27年度に収穫するマラウイ在来種の栽培試験を開始した。 また、マラウイのトウモロコシ在来品種の多様性を解析するため、北部および中部の14か所から農家の栽培する品種を収集した。またチテゼ農業試験場ジーンバンクから在来品種30品種の分譲を受けた。そのうち在来品種6品種とハイブリッド品種2品種については、チテゼ農業試験場において栽培試験を行っており、肥料応答性とLGB耐性の品種間差異について評価を行う予定である。また、分子マーカーを利用した多様性解析を行なうため、在来品種から計46品種および比較品種として栽培試験に用いたハイブリッド2品種を実験材料として選定し、解析に使用する40個のSSRマーカーをMaizeGDBより選抜した。現在は,上述した品種からDNAをそれぞれ抽出し、品種間の多型解析を進めている。 さらに、平成25年度に収穫したハイブリッドおよび在来種トウモロコシ種子の成分分析を実施するとともに各品種のLGB耐性を評価した。その結果、在来種が海外より導入されたハイブリッドに比べ高いLGB耐性を有することが明らかとなった。また、LGB耐性に影響を与えると考えられる穀粒硬度と灰分・総タンパク質・Mg・P・Ca・Zn含量の間に高い相関がみられ、さらに灰分・Mg・P・Ca・Zn・穀粒硬度とLGB成虫数および灰分・総タンパク質・Mg・P・Ca・Zn・穀粒硬度と被害粒数間にも高い相関がみられた。よって、これらトウモロコシ穀粒内の構成成分がLGBの増殖と摂食に影響を与えることが明らかとなり、穀粒栄養成分を調整することでポストハーベスト・ロスを低減できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り26年度に計画していたトウモロコシ現地栽培試験は収穫・作付け共に滞りなく実施した。また、マラウイ在来種のサンプリングは、直接農村にて分譲を受けたのに加え、チテゼ農業試験場のジーンバンクの協力を受け、マラウイ全土の在来種のサンプルを入手することが出来た。これらのサンプルに関しては遺伝解析を進めている。さらに、27年度以降に予定していたトウモロコシ穀粒の成分分析およびLGB耐性の評価を前倒しで実施し、穀粒栄養成分とLGB耐性の間に高い相関があることを見出した。LGB耐性に関しては品種間差がありマラウイ在来種が高いLGB耐性を有することも明らかにした。以上の進捗状況を踏まえて、本研究課題は概ね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の現地圃場試験は、26年度に作付けしたマラウイ在来種を中心とした栽培試験の穀粒を春に収穫し、秋に堆肥もしくは微量元素を調整した要素試験を現地で実施する。また、春に収穫したサンプルの成分分析を実施し、LGB耐性も併せて評価することで穀粒品質と貯蔵性の相関解析を行う。
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