2014 Fiscal Year Annual Research Report
西アフリカにおける重症マラリア発生機序のアミノ酸インフォマティクス解析
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26305016
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嘉糠 洋陸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 正広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00271304) [Withdrawn]
案浦 健 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (90407239)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア / アミノ酸 / 病原体 / 感染 / 病原性 / 免疫 / 宿主応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯熱マラリア患者は、適切な処置が行われない場合、重症貧血や脳性マラリアなどの重篤な症状を呈する。マラリア原虫は、赤血球内にて分裂・増殖を繰り返す際、感染宿主から様々な栄養素を取り込む。マラリア原虫は大半のアミノ酸合成経路を欠いているため、アミノ酸源をヘモグロビンおよび血漿中の遊離アミノ酸に依存している。このことから、熱帯熱マラリア患者の病態と、アミノ酸群の血中動態との関連が予想された。そこで我々は、アミノ酸濃度とその変化をパラメータ化し、ヒトの臨床検体および齧歯類モデルを用いた解析を実施することにより、マラリア重症化とアミノ酸群の相互作用の検証を実施した。タイのマヒドン大学にて重症熱帯熱マラリアと診断された患者血清に関して、遊離アミノ酸およびその誘導体(計35種類)について、網羅的な濃度パターン(アミノグラム)を測定した。その結果、患者血清アミノグラムは治療前後において顕著な差を有することが明らかとなった。同データをtwo-wayクラスター解析およびスピアマンの順位相関分析に供した結果、アミノグラムとマラリア重症化との間に相関関係が認められた。さらに、実験的脳性マラリアのモデルマウスを用いて、アミノグラムと脳性マラリアとの相互作用解析を行った。その結果、アミノグラムを変化させたマウスにおいては、原虫の増殖動態に変化は認められないままに生存率が上昇した。網羅的な宿主アミノ酸情報(アミノ酸インフォマティクス)を解析パラメータとしたこれらの実験結果は、一部のアミノ酸群がマラリアの重症化に関与する仕組みを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マラリア原虫は、その生命活動に必須なアミノ酸源を、赤血球内のヘモグロビン分解に加え、宿主血液中の遊離アミノ酸に依存する。マラリア原虫感染患者における網羅的アミノ酸濃度パターン(アミノグラム)研究から、マラリア発症宿主の重症化にアミノ酸を介する原虫との相互作用が存在すること等が明らかになり、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度の研究成果をもとに、宿主血中アミノグラムを解析パラメータとし、マラリア患者の宿主血中遊離アミノ酸情報(アミノ酸インフォマティクス)の解析を実施することにより、新規の病原体-宿主間相互作用解析を引き続き推進する。
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Causes of Carryover |
タイの熱帯熱マラリア感染患者血清を用いたアミノグラム解析が予想以上に進展し、それを主に据える研究計画細目を重点的に実施した。その結果、研究計画の実施順序を一部変更し、物品費(消耗品)および人件費の大部分を使用する齧歯類マラリアモデルおよび培養関連関連の研究計画細目を次年度以降に実施することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費(消耗品)および人件費を活用し、齧歯類マラリア感染モデルにおける宿主側環境要因および原虫側応答の解析、および熱帯熱マラリア原虫培養系における同アミノ酸作用の解析を実施する。
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