2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケアの現場と人文学研究との協働による新たな〈老年学〉の構築
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26310105
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本村 昌文 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80322973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近田 真美子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (00453283)
佐々木 守俊 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (00713885)
出村 和彦 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30237028)
大貫 俊夫 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30708095)
吉葉 恭行 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50436177)
加藤 諭 東北大学, 学内共同利用施設等, その他 (90626300)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 老い / 死生観 / ケア / 看取り |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究班A(日本関係)、研究班B(西洋関係)、研究班C(ケアの現場)の3つの研究班に分かれ、各人が個別研究を進めるとともに、各研究班の研究成果を有機的に結合させていくために、各自の問題関心の共有と方法論の検討を目的とした研究会を2回実施した。 研究班Aでは、平安時代における仏教を中心とした看取りに関する検討(佐々木)、橘覚勝を中心とした日本における老年学研究の創設時期に関する検討(本村)、近現代日本の百貨店における老いをめぐる諸問題の検討(加藤)、大学における老年学研究部門の設置に関する検討(吉葉)がなされた。また上記の研究会を通して、研究の方向性を共有した。 研究班Bでは、古代末期の老いの観念の検討(出村)、中世ドイツにおける看取りの諸相の検討(大貫)、現代オランダの高齢者ケアの現状に関する検討(中谷)がなされた。また上記の研究会を通して、研究の方向性を共有した。 研究班Cでは、主に看護学生の死生観、老年学の授業内容に関する検討(近田)がなされた。また上記の研究会を通して、研究の方向性を共有した。 各研究班においてさらに研究を深化させていくため、次年度以降の日本と中国の老いと死生観の比較研究を円滑に実施するために、岡山大学で開催された「思想・文化フォーラム-日中若手研究者学術交流セミナー-」において、「日本・中国における死と生の諸相」というミニセッションを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画では、①研究史の整理、②研究成果共有のための方法論を検討する研究会の実施、③各人の研究成果の共有、④ホームページ作成などの研究成果発信の基盤構築、という4項目をあげた。このうち、①は各人が研究を進めるなかで着手されており、②・③については2回の研究会実施によって方法論と研究の進捗状況の共有がなさた。④についてはホームページ作成のみならず、フェイスブックなどの活用の検討もしており、次年度以降の早い段階で成果発信のシステムを整備する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各研究班において個人研究を進めていくとともに、研究の中間報告を平成27年度・平成28年度に行い、最終年度に論文集を刊行するための原稿提出を目指す。 平成27年度は、とくに研究班A・研究班Bと研究班Cとの関わり(人文学研究の成果と現場との接点)を集中的に検討し、研究成果をケアと看取りの現場に還元する仕組みを創出する。そのために、医療・介護関係者をまじえた研究会および施設等の見学を実施する予定である。 平成27年度・28年度は、日本と中国の老いと死生観の比較検討を行うために、中国からターミナル・ケア施設の施設長など招聘し、シンポジウムを各年度ごとに開催する。 平成26年度に実施した研究会を通して、本研究をより深化させるために必要な論点について、研究協力者を新たに加え(とくに若手研究者)、研究を加速させる。
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Causes of Carryover |
平成26年度は採択された初年度ということもあり、研究費の使用が実質的には半年ほどの期間しかなかったため、予定していた調査などを平成27年度に計画変更したものがあったため。またケア・看取りの現場との接点やつながりを検討する研究会を平成27年度に集中的に行うように計画し、その分の資金を次年度使用額として繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者、連携研究者、研究協力者の国内調査旅費、国外調査旅費(オランダ)。 9月に実施予定のケア・看取りの現場とのつながりを検討する研究会への参加旅費。
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Research Products
(17 results)