2016 Fiscal Year Annual Research Report
ケアの現場と人文学研究との協働による新たな〈老年学〉の構築
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26310105
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本村 昌文 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80322973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近田 真美子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (00453283)
佐々木 守俊 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (00713885)
出村 和彦 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30237028)
大貫 俊夫 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30708095)
吉葉 恭行 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50436177)
加藤 諭 東京大学, 学内共同利用施設等, 助教 (90626300)
工藤 洋子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (70438547)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 老い / 死生観 / ケア / 看取り / 老年学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、各メンバーがこれまでの資料調査などをもとに研究をすすめるとともに、研究班A(日本関係)、研究班B(西洋関係)、研究班C(ケアの現場)の3つの研究班がこれまでの成果を報告し、論文集の編集・刊行することを目的とした。研究会を4回実施した具体的な開催日時・場所は、2016年9月10日・広島国際大学、2016年11月3日・東京大学、2017年1月7日・8日・東北福祉大学、2017年3月19日・岡山大学である。 以上の研究会を通して、本研究の成果は、①現代日本における「老い」の諸相、②日本における「老い」の観念の歴史的形成、③「老い」の観念の多様性の3つにまとめられることが明確化された。①では看護師や家族介護者の「老い」についてインタビュー調査を実施し、医療・介護の現場にみられる「老い」に関わる意識を明らかにするとともに、先端科学技術を駆使した介護機器や機能訓練の現場と人文学研究との関わりの重要性が指摘された。②では前近代における「老い」から近現代における「老い」の歴史的変遷を明らかにし、さらに日本において「老年学」という概念がいかに受容されたのかという具体的な様相が明らかにされた。③では西洋世界における「老い」とキリスト教との関係、インド密教における老いと死の観念が明らかにされ、日本とは異なる「老い」の観念の多様性が示された。 以上の成果をもとに、各メンバーがさらに研究を深化させ、次年度に論文集として編集・刊行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度に刊行を予定している論文集への寄稿に関わる研究会をすべて実施することができ、研究成果の共有、論文集の構成、寄稿者、刊行までのタイムスケジュールなどを確定させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度内に論文集を刊行するために、2017年6月に論文集の原稿〆切、取りまとめて、調整の上、9月末日に出版社へ入稿(2018年2月刊行予定)をめざし、各人が研究成果を深化させる。 本研究成果を発展させていくために、2017年11月に中国・東南大学において、本科研費の研究成果を発表するシンポジウムを開催し、研究成果の海外発信を行い、海外の研究機関との共同研究の基盤を強化する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査をもとにした研究について、研究会での議論を通して、論文集へ寄稿するにあたり、研究成果をなおいっそう深化させるために、追加調査を要する場合が予測されることとなり、調査に関するデータ整理、文字おこし作業に関わる費用が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査に関するデータ整理、文字おこし作業などに使用する。
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Research Products
(23 results)