2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on unified evaluation frameworks for various water uses, considering quantity, quality, energy and environment
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26310301
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| Research Institution | Ibaraki University |
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Principal Investigator |
小林 久 茨城大学, 農学部, 教授 (80292481)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 滋哉 茨城大学, 農学部, 准教授 (00346074)
野田 浩二 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (30468821)
皆川 明子 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (70603968)
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| Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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| Keywords | 水機能 / 水利秩序 / 水利権 / 河川環境 / 水力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
第一に，米国のダム撤去事例から，ダム撤去の社会政治構造を考察するとともに，ダム撤去による堆砂の移動に関する事前分析と事後の結果を整理して利水の変更が及ぼす河川環境への影響予測手法の可能性と課題について考察し，農業農村工学会において発表した。
第二に，対象河川の利水実態調査として農業水利，発電水利に関するデータを収集し流況調査結果との比較を通して利水がどのように河川環境に影響しているかを検討して，安定区間では1～2m3/sの流量が観測されたのに対し、減水区間では降雨時と放流時以外は常に0.2m3/s未満と大きな減水が見られる区間があること，農業用水の余水還元が取水堰より下流の流量維持に寄与していることを示した。第三に，水生生物の生息状況調査 流量と生息環境に関する調査分析を行い，平均水深と平均流速が最も小さい減水区間でタカハヤとカワヨシノボリの生息密度が最も高いこと，一方で両種の肥満度が有意に小さいこと（Steel-dwass test、p<0.01），両種とも減水区間の空胃率が最も高いことを明らかにした。さらに，流況の数値シミュレーション，生息場適性指数と重み付き利用可能面積を用いた生息環境評価を行い，各流量でのカワヨシノボリとカワムツの生息環境を予測・比較し，好ましい流量水準を考察した。
第三に，対象河川の水利・調整の歴史に関する文献・聞き取り調査を行い，とくに水力発電所建設の経緯，発電水利の発生にともなう，農業水利との調整過程などを把握し，新規水利による漁業権変更の可能性など指摘した。水利の経緯に関する調査結果に関しては，地域の関係者に公開できる報告書として取りまとめた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
斜面崩壊による調査地対象地の環境変化によりデータ回収に遅れが生じた。ただし，当初予定の海外事例調査に基づく関係者調整の社会構造や河川環境への影響予測に必要性についての考察と発表，現地調査による河川環境評価，水利の変遷・実態に関する調査は順調に進んだ。一方で，現地調査等に多くの時間を要したため，水機能の評価フレームに関する資料・情報収集が不十分で，検討もやや遅れ気味である。
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| Strategy for Future Research Activity |
生物調査の分担者が産休のため，次年度の作業を行えなくなるので，一部作業委託の分析により利水にともなう減水と水生生物への影響を検討し，とくに減水による河川環境の変化と生息密度，生物の選考性に関する考察としての取りまとめを行う予定である。なお，やや遅れ気味の評価フレームの検討については，専門家招へいによるセミナー等開催を通して，多様な考え方・手法を迅速に収集・整理する作業を優先的に実施することとする。
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| Causes of Carryover |
現地設置機材の許可が2016年度で終了するため，年度内に撤去作業・データ回収を行う予定であったが，前年度の斜面崩壊にともなう機材移動の許可手続きと，延長・撤去時期変更手続にそれぞれ数ヶ月が必要であることが今年度になってわかり，これら作業に要す物品費，旅費，役務費等を使用する必要がなくなった。また，関係者研究会を行う予定であったが，期間内に関係者調整ができないことになり，予定通りの開催が不可能となり，旅費，印刷費が減額になった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に終了する予定であった機材移動およびデータ回収作業を7月までに行うこととし，その作業に要す物品費，旅費として使用する。
また，2016年度開催予定であった地域関係者ワークショップを10月ころまでに実施し，その経費（旅費，印刷費）として使用する。
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