2016 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of Health Effect Induced by Chemicals Contained in Ambient Dust on Asthma Patients and Development of Its Preventive Method
Project/Area Number |
26340048
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
道上 義正 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (90190678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金属 / 微小粒子状物質(PM2.5) / 総浮遊粒子状物質(TSP) / 多環芳香族炭化水素類(PAH) |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年1月から6月まで、金沢大学宝町キャンパスで屋上に設置したハイボリュームエアサンプラー(紀本電子、MODEL-120SL)を用いて、総浮遊粒子物質(TSP)を捕集した。同種のサンプラーとPM2.5インパクター(東京ダイレック、HVI-2.5)を用いて、微小粒子状物質(PM2.5)を捕集した。TSPとPM2.5に含まれる金属(カルシウム、コバルト、カドミウム、クロム、クロミウム、銅、鉄、マンガン、ニッケル、鉛)を原子吸光法で分析した。また、TSPとPM2.5に含まれる多環芳香族炭化水素類(PAH: フルオランテン、ピレン、クリセン、ベンツ[b]フルオランテン、ベンツ[k]フルオランテン、ベンツ[a]ピレン)をジクロロメタンを用いて抽出し、HPLCを用いて分析した。捕集期間中で、気象庁が目視により黄砂日としたのは、4月23日から26日と5月7日の5日であった。 カルシウム、カドミウム、コバルト、鉄、マンガン、鉛の大気中濃度は、TSPの方がPM2.5より高い傾向にあった。特に、鉄とマンガンの濃度が高かった。黄砂日では、TSP濃度もPM2.5濃度も高くなった。黄砂日に多くのTSP中の金属の濃度がそれ以外の日より高くなっていたが、特に、鉄やマンガンの濃度が高くなった。一方、PM2.5中の金属の濃度は黄砂日でも、その他の日とあまり変わらなかった。例えば、4月22日と23日の鉄濃度を比べると、TSPでは239.5 ng/m3と5423.5 ng/m3で、PM2.5では3.7 ng/m3と4.3 ng/m3であった。銅とニッケルの濃度はPM2.5の方が高い傾向にあった。 粒子状物質あたりのPAHの量は、PM2.5の方がTSPより多かった。PM2.5中のPAHもTSP中のPAHも冬場で多かった。黄砂日に粒子状物質あたりのPAHの量が特に多くなることはなかった。
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Research Products
(2 results)