2017 Fiscal Year Annual Research Report
Educational Expenditure Based on Women's Employment Status amd Household Expenditure
Project/Area Number |
26350035
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
李 秀眞 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30588926)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 母親の就業選択 / 教育費 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には、前年度までの結果を踏まえ以下のような分析を行った。第1に、子どもの人数別および子どもの学校段階別平均私的教育費を検討し、子どもの教育費を賄うために母親が就業をするという決定をする可能性が高い時期を確認した。その結果、子どもが1人の場合、中学生にかかる私的教育費が最も多く、小学生、未就学児、高校生の順であった。また、子どもが2人の場合は、家計が支出する私的教育費支出が多いのは、第1子が中学生、第2子が未就学児の場合であり、次に第1子が中学生、第2子が小学生の場合であった。いずれも中学生がいる場合に、家計が支出する私的教育費が多いことが確認できた。それを参考に、親の就業選択に影響を与える要因として、中学生子ども有無を追加した分析を行った。第2に、前年度まで行ったクロス・セクションデータを用いた分析結果を踏まえ、同一回答者を長年追跡して得られたパネルデータを用いて、母親の就業選択と家計の教育費との関係性を検討した。パネルデータ分析方法を適応した結果、家計の私的教育費の増加は女性の就業選択を促すという結果が得られた。ただ、所得階層別の分析では、高所得群において、私的教育費支出が多いと母親が就業選択をしない可能性が高いと予想したが、予想通りの結果は得られなかった。母親が高学歴であり、かつ家計所得が高所得群である場合に、子どもの教育のために母親が就業をやめる選択をするという教育における母親の役割に関する追加分析は、今後の課題である。
|
Research Products
(1 results)