漁村コミュニティ形成における女性の起業活動に関する研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26350047
• Research Institution: Ehime University
• Principal Investigator: 藤田 昌子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40413611)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 漁村地域 / 漁協女性部 / 持続可能 / コミュニティ形成

Outline of Annual Research Achievements

今年度は，愛媛県内の漁村地域における女性グループとして，漁協女性部の活動を事例とし，第一に歴史的経緯を把握する，第二に漁協女性部活動における組織・運営体制の課題を抽出し，その課題への取り組みについて明らかにする，第三に漁協女性部が持続可能な活動するための組織・運営体制のしくみを考察することを目的として，研究を進めてきた。
研究方法は，調査対象とする漁協女性部の部長，および同漁協代表理事組合長の2名に対し，インタビュー調査にもとづくケーススタディである。
主な研究成果は，以下のとおりである。
漁協女性部活動における組織・運営体制の課題として抽出し，その課題への取り組みを考察したところ，漁協女性部が持続的に展開していくためには，「アイデンティティ」「当事者意識」「モチベーション」がもてる組織・運営体制が求められ，主体性を重んじた組織・運営体制に再編する必要があることがわかった。その柱は「運営主体」「参加方法」「運営方法」「運営単位」の4つであり，具体的には，「漁協主体」から「女性部主体」，「強制参加」から「自由参加」，「特定の人のみの参加」から「全員参加型」，「地区制」から「部会制（４つの事業グループ）」への転換である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までに，調査対象とする漁協女性部の部長や漁協組合長に対するインタビュー調査を継続的に行い，持続可能な組織・運営体制に関して分析・考察を終えており，投稿論文にまとめているところである。

Strategy for Future Research Activity

①最新の資料の収集や講演会の参加などにより，専門的知識や最新の動向など情報を得る。
②漁協女性部の活動の年次変化を分析し，活動における課題とその解決に向けた取り組みについてまとめる。
③漁協女性部の史的資料の分析を行い，漁村における女性や漁協女性部の果たす役割について考察する。
④研究成果の発表し，意見交換を行う（地域漁業学会，日本協同組合学会，日本家政学会等）

Causes of Carryover

インタビュー調査の文字起こしや資料整理などの謝金をこれから使用するため

Expenditure Plan for Carryover Budget

最新の関連文献・資料等の収集，調査旅費，研究成果を学会で発表するための旅費，収集した文献や資料の整理・インタビューの文字起こしなどに対する謝金，専門的知識や最新の動向などの情報を得るための勉強会等の講師料