2014 Fiscal Year Research-status Report
生物標本作製作業への市民参加が生物多様性の意義理解を促進する効果の測定
Project/Area Number |
26350265
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Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
和田 岳 大阪市立自然史博物館, その他部局等, 研究員 (60270724)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物多様性理解 / 鳥類標本 / 市民参加 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本各地の自然史系博物館等を対象に、鳥類標本及び鳥類死体の蓄積状況、蓄積した死体の標本化速度、及び標本化における市民参加の現状・ニーズ・課題についてのアンケート調査を実施した。96施設にアンケートを依頼し、70施設からの回答を得た。2015年度にさらにアンケート調査を進め、まとめていくこととする。 なにわホネホネ団を中心に、西表島産の鳥類死体を中心に標本化を進め、127体の標本化を行った。同時に鳥類標本を作製できる人材の育成を試みた。 鳥類標本の作製講座を一般向けに開催し、その場で生物多様性理解についてのアンケート調査を実施した。2回の開催予定だったが、1回は台風直撃のため中止と成った。また10月に博物館周辺で活動する標本作製サークルを中心としたイベント「ホネホネサミット」を開催し、その出展者及び来場者に対して、生物多様性理解についてのアンケートを実施した。標本作製経験に大きな違いがある出展者と来場者の比較は、本研究において重要な位置を占める。ただ、残念なことに2日間予定していたイベントは台風直撃のため1日しか開催できず、アンケートは86人からしか回収できなかった。2015年以降、同様の機会をつくり再びアンケート調査を実施する予定である。 研究初年度は、主として今後の解析のためのデータ収集を進めた。2015年度も引き続きデータを収集すると同時に、初年度のデータの大まかな傾向をみて、研究の軌道修正の必要性を判断していく。また2年目以降は、標本作製経験を経て、生物多様性理解の変化を追跡する調査も検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画どおりに進めているのだが、台風直撃により予定していた講習やイベントの一部が中止となり、その分、アンケート調査の進みが遅れている。初年度は今後の解析のためのデータ収集の段階であり、2年目もそれが継続する。2年目に続く流れはできており、2年目に初年度の遅れを取り戻すことは可能。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に開始した、アンケートを調査を中心とするデータ収集を継続する。初年度は、標本作製講座やイベントを通じたアンケート調査の集まりがやや少なかったので(台風直撃によるイベント中止などのため)、2年目は1年目より多く標本作製講座を実施する。また、他の施設が企画する標本作製関連のイベントに出かけてのアンケート調査も実施する。 自然史系博物館等を対象とした鳥類死体の蓄積やその標本化への市民参加のアンケートは、さらに多くの施設に依頼して、情報量を増やすこととする。 なにわホネホネ団の活動を継続し、その中での習熟度に応じた生物多様性理解についてのアンケート調査を実施する。また最終年度に予定している市民参加で作製した鳥類標本を展示する機会の準備を進める。
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Causes of Carryover |
計画していた講座やイベントの一部が台風直撃のため中止となり、計画した半分しか実施できなかったため、そのための人件費等の経費、および関連したアンケート調査の実施・まとめにかかる経費が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画したが実施できなかった分の講座を開催するとともに、他施設における同等と見なしうるイベントに出かけてのアンケート調査を実施する。
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