2015 Fiscal Year Research-status Report
情報の科学・技術の仕組みを体験的に学べる教材ソフトウェアの開発に関する研究
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26350327
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松浦 敏雄 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (40127296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 知博 大阪学院大学, 情報学部, 准教授 (00283820)
原田 章 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (10263336)
中西 通雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30227847)
吉田 智子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (60329977)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育用ソフトウェア / 情報の科学的理解 / プログラミング学習環境 / 情報科学・技術のしくみ / プログラムによる計測と制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より引き続いて研究開発中のテーマについての成果を述べる: 1.p2pネットワークの仕組みを学ぶためのソフトウェアについては、Chordアルゴリズムに基づいて動作するp2pネットワークのシミュレーションが可能になった。 2.入出力機器の取り扱いについて学ぶためのソフトウェアについては、PENからLilyPad Arduinoを制御できる仕組みを実装し既に実際の授業で使用している。 3.公開鍵暗号の仕組みを学ぶための教材については、新たな教材を開発し授業で試用した。 4.CPUの仕組みを学ぶための教材については、昨年度の有していたプログラムサイズの制約を取り除いた。
今年度は新たに以下のテーマについて教材・ソフトウェアの研究開発を行った: 5.データベースの情報処理過程の可視化教材の作成:学生に馴染みのあるコンビニのPOSシステムを取り上げ、商品の管理方法等を可視化する教材を開発した。 6.画像のデジタル化学習支援教材の作成:任意の画像に対して、解像度と階調を変換でき、見え方や容量を観察できる教材を開発した。 7.フローチャートに基づくプログラミング学習環境の構築:画面上でフローチャットを作成することでプログラムに変換できるソフトウェアを実際の授業で使用し、その有用性を明らかにした。 8.ブロック型プログラミング学習環境の構築:ブロックを並べることでプログラムを作成できるプログラミング学習環境を開発した。本学習環境では、必要なブロックを学習段階に応じで徐々に増やせる仕組みを実現しており、初学者に易しい学習環境を提供している。
以上のように、情報の科学的理解を深める様々な教材・ソフトウェアを開発した。開発途中のものもあるが、一部は実際の授業で利用してその有効性を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テーマによって進捗に違いがあるが、「研究実績の概要」欄に挙げた8つのテーマについてそれぞれ、概ね順調に進行していると考えている。以下、各テーマ毎の進捗状況を記す。
1.Chordアルゴリズムの動作を確認できるようになったが、まだ安定して動作するようにはなっていない。 2.ソフトウェアおよびコースウェアが完成しており、既に授業で利用している。 3.今年度、教材の設計から見直して、新たな教材を作成した。まだ完成の段階には達していないが授業で試用してみた。 4.昨年度有していた制約を取り除いたので、授業で使用できる段階に達したと考えている。 5, 6については、教材が開発できたばかりであり、授業での使用に耐えうるかの検討が必要と考えている。 7.については、既に完成していたソフトウェアを用いて実験授業を行い、その有効性を確認し、論文として発表したので、このテーマについは完了と考えている。 8.新たな初学者向けプログラム学習環境を構築し、その有効性を確認するための実験授業を実施した。ソフトウェアそのものの改良が必要であり、引き続き研究・開発を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、8つのテーマについて並行して研究を進めているが、さらに、2~3の新たなテーマについて、実現可能性を検討する予定である。そのうえで、当初の研究計画に記したように、最終的には、4~6程度のテーマに絞って、実用的な教材開発を目指したい。
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Causes of Carryover |
本務が忙しく、当初予定していた国際会議や研究会に参加できなかったことから旅費が当初計画より少なくなってしまった。また、ソフトウェア開発を支援してくれている人が多忙だったため、十分な開発時間を確保することができず謝金が当初計画より少なくなってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表、および、新たなテーマの検討のための国際会議・研究会等に参加する旅費として使用したい。 また、昨年度のソフトウェア開発の遅れを取り戻すため、ソフトウェア開発支援のためのアルバイト謝金を増額したい。
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