2015 Fiscal Year Research-status Report
幼稚園における子どもの学びと保育者の援助を支援する情報端末アプリケーションの開発
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26350351
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Research Institution | Shitennoji University Junior College |
Principal Investigator |
松山 由美子 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90322619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 博史 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (60300349)
森田 健宏 関西外国語大学, その他部局等, 准教授 (30309017)
松河 秀哉 大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教 (50379111)
中村 恵 奈良佐保短期大学, その他部局等, 准教授 (90516452)
佐藤 朝美 愛知淑徳大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70568724)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メディア活用 / 幼児教育 / タブレット / アプリケーション / 保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、技術の「商品化」が先行する現状において、幼稚園等における幼児の育ちに寄与するタブレット用アプリケーションの開発を中心に、幼児教育現場における望ましいメディア環境のあり方を提案することが目的である。平成27年度の研究概要と結果は以下のとおりである。 (1)平成26年度の調査結果をもとに、幼稚園で子どもの発達を援助するアプリケーションのあり方について検討した。乳幼児期のアプリケーションの中でも評価の高いアプリケーションは、アプリケーションで遊ぶことのみに完結せず、より現実世界での経験や体験に興味をもって取り組めるような工夫がなされているなど、日本の幼児教育現場にも応用できる点があることが明らかになっている。そのような汎用性のあるアプリケーションを、多忙な保育現場の保育者及び多様な興味・関心に基づいたあそびを通した学びを展開する幼児の双方が活用しやすいアプリケーションであることが重要であるという結論に至った。 (2)上記のような結果をまとめ、研究分担者と協力して策定した上記の仕様書をもとに、アプリケーション開発を行っている企業に技術支援を受け、アプリケーションを開発した。開発しているアプリケーションは、1)子ども及び保育者双方にとって使いやすい、2)タブレット端末のアプリケーション内のみのあそびに留まらないようにし、多様な保育のねらい及び幼児自らの興味や関心に応じた活用ができる、3)幼児の思いを言葉にすることや幼児どうしが互いの思いを共有したり、発表しあったりすることへの援助となる、4)保育者が実践や幼児の発達の姿の振り返りと次の保育を再構成するにあたっての効率化、また幼児の学びの可視化ができるようなデータの整理を想定したデータ構築を可能にしている、という点を重視した設計になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、研究計画のうち以下の2点について研究を遂行した。 (1)幼稚園への実地観察及び聞き取り調査(26年度より継続) 実際にタブレットを活用して保育を実践している保育現場を訪問し、実地観察及び保育者への聞き取り調査を行った。その結果のうち、幼稚園で実際に使用されていたアプリケーションの検討や保育方法について検討し、整理し、学会発表を行った。 (2)幼稚園における保育の中で活用されるタブレット向けアプリケーションの検討と開発 平成26年度にまとめた先行研究からの知見、幼稚園等の保育現場でのタブレット活用の実際から見えた課題、さらに、幼稚園教育要領が定める5領域のねらい・内容に準拠し、タブレットの活用が有効だと考えられる保育内容について研究分担者と検討し、子ども及び保育者双方にとって使いやすく、保育の援助となるアプリケーションの仕様書を策定し、アプリケーション開発を行っている企業に技術支援を受け開発を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)開発したアプリケーションを活用した保育現場での保育実践 タブレットを活用した保育を実施可能な幼稚園において、子どもへの配慮事項に留意したうえでアプリケーションを活用した保育を実践する。また、その保育の評価を行うとともにその中でアプリケーションの評価を行う。幼稚園でタブレットを用いることで、子どもの興味や関心がどのように深まったり広がったか、また、態度にどのような変化が生じたか、その教育効果と課題について、幼児教育の視点、発達心理学の視点、教育工学の視点で考察する。 (2)保育現場におけるアプリの活用による評価検証 分担研究者及び検証をお願いする保育現場の保育者らと共に、アプリケーションの改善を行う。 (3)成果のまとめと公表 本研究の成果をまとめ、国内外の幼児教育・保育、教育工学、発達心理学などの学会や専門誌等に発表する。また、広く幼児教育の現場に普及させる方法を検討し、成果をまとめたwebpageを作成し、公表する。
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Causes of Carryover |
アプリ開発の途中でアップデート対応等の予算増額が予想された。次年度にアプリを実際に活用することになっていたため、アップデートや不具合対応のための予算が必要だと判断し、次年度使用に回せる分は回すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発しているアプリのアップデート対応、不具合対応に使用。 また、アプリを用いた保育を実施してくださる園が増える予定のため、謝金に使用。
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