2014 Fiscal Year Research-status Report
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26350371
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| Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
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Principal Investigator |
福士 由紀 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 拠点研究員 (60581288)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 農村医療 / 雲南省 / 基層衛生員 / 反迷信 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後東アジア（中国・日本を中心とし、台湾・韓国も視野にいれる）の農村医療の展開を、一次資料を用いて実証的に解明した上で、比較史的検討を通して、各地の特徴の明確化・体系化を試みることを目的としている。
平成26年度は、戦後東アジアにおける医療従事者の養成、医療施設の配置状況を戦前・戦中の状況をふまえつつ、制度的展開および数量・分布の歴史的実態の把握を行う計画であった。本年度は中国・雲南省を中心に研究を進めた。
本年度中の具体的活動としては、『中国衛生法規史料』、China Medical Journal、『人民日報』、中国雲南省衛生档案（公文書）、1950年代に雲南省において実施された民族調査報告書、雲南省大理地区各地域の『地方志』を用いて、人民共和国建国以前の雲南省大理地区の医療資源の状況、民間における受療行動、人民共和国樹立以後の農村医療制度の導入と地域社会における導入実態について検討した。
本研究により以下の点が明らかとなった。１、雲南省においては農村医療の制度的導入は土地改革と同時に進められた、２、中国では短期訓練を受けた衛生員の活用が基層医療において重視されたが、衛生員の訓練養成は、土地改革に伴う農村社会の秩序の再編と関係するものであった。３、農村衛生員の訓練生の実態からは、旧来、農村社会における民間医療や癒しの担い手も含まれていた。４、だが、旧来の医療・癒しの担い手の中には同時期の反迷信運動によって排除されたものもいた。
本研究の成果の一部を、「1950年代中国農村医療保健服務的引入：以雲南省大理専区為例」として『1950-60年代的中国工作坊』（2014年12月、華東師範大学）で報告した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、戦後中国における農村医療人員養成、配置のありようを、地域の実態とあわせて検討することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、戦後日本の農村医療の普及状況を地域の社会経済の動態とあわせて検討する。また、日本および中国の農村における疾病構造と住民の生活様式の変化、受療行動の変化などを検討する。また、戦後台湾、朝鮮半島のケースについても目をくばる。
研究方法としては、当初の計画通り、関連する歴史文献・資料の調査を中心に、可能であればインタビュー調査なども実施予定である。
最終年度には、戦後東アジア各地における農村医療の制度、実態、効果に関する比較検討を行い、その特徴を明確化する。
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| Causes of Carryover |
平成26年度は、購入予定であったPCおよび周辺機器の購入につき、希望する型番のものが在庫切れであったため、購入を見送ったため、当初の予定使用額との差額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、26年度に購入予定であったPCの購入を行う。
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