2014 Fiscal Year Research-status Report
自然・文化景観から人と自然との関わりを現出するための新たな研究手法の構築
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26350397
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
真鍋 徹 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, 学芸員 (90359472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 優子 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, 学芸員 (20508957)
中西 義昌 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, 学芸員 (50633020)
御前 明洋 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, 学芸員 (70508960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 博物館学 / 自然景観 / 文化景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(初年度)は、1)景観解析支援データベースの構築および2)景観復元に向けた準備に重点を置いた研究を実施した。 景観解析支援データベースの構築では、景観復元に活用できる資料、それら資料からの景観復元手法、人による自然の利用に関する定性的・定量的資料、それら資料からの人による自然へのインパクトの定性的・定量的評価手法およびその他の景観復元・解析に関する事項等を、系統的に整理統合するための方策を検討し、これら項目のデータベース化に適したソフトウエアの選定およびデータベース・フォーマットの構築を行った。また、自然科学、特に景観生態学的分野を中心に、景観復元に関連する資料・文献類の収集を実施した。さらに、それら収集した資料・文献類を解析し、構築したデータベース・フォーマットを用いてデータベース化を行った。 景観復元に向けた準備では、昭和初期~現在の里山・山林景観、明治~昭和初期の石炭・鉄鋼産業関連景観および中世後期の山城関連景観を対象景観とし、関連する資料・文献類の分析や現地踏査等から解析対象地点を選定した。その結果、里山・山林景観および中世後期の山城関連景観については、解析対象候補地点を具体的に絞り込むことができた。また、研究代表者・分担者の所属する博物館に寄贈されている大正~昭和初期に撮影された劣化した8mmフィルム等の補修の可能性および補修方法の確定のための調査を実施した。その結果、補修が難しいと考えられた資料も存在したが、多くの資料は部分的にでも補修できることが判明し、解析に用いることが可能であると判断された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
明治~昭和初期の石炭・鉄鋼産業関連景観の復元に関する定性的・定量的資料の収集が、予想以上に困難であった。このため、当該景観の解析に向けた解析対象地点が具体的に絞り込めなかった。 また、空中写真の処理等の景観復元作業用の汎用性の高い安価なソフトウエアが選定できたが、その操作に必要な知識・技術の習得に苦心惨憺しており、当初実施予定であった昭和初期~現在の里山・山林の試験的景観復元を完了させることができなかった。 また、大正~昭和初期に撮影された劣化した8mmフィルム等の補修に向けた調査により、補修方法等はほぼ確定することができた。引き続き、具体的に補修を行うフィルム類の選定および補修を行う予定であったが、当該研究を担当する研究分担者がら産前産後休業および育児休業に入ったことにともない、当該実施項目は次年度以降に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年度目は、当初計画どおり、1)解析用資料の収集、2)景観復元を中心とした研究を実施する。 解析用資料の収集に関しては、人による自然の利用に関する定性的・定量的資料、特に明治~昭和初期の石炭・鉄鋼産業関連景観に関する資料・文献類の収集に重点をおく。さらに、収集した資料・文献類を解析し、データベースの充実を図る。 景観復元に向けては、選定した復元対象地点および周辺域の現在の地形や植生等の状況と文献類等から推測される過去の状況の異同を明らかとすることに重点をおいた現地踏査等を実施する。これによって得られた情報を考慮し、過去の景観復元を行う。現時点では、具体的な復元様式として、デジタルデータとしての土地利用図や相観植生図、地形図を想定しているが、より多くの市民に理解しやすい(展示に向けた)復元様式も検討する。
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Causes of Carryover |
劣化した8mmフィルム等の補修(本項目とする)を計画していたが、フィルム類の取り扱いや保存に関する専門的知識・技術を有する本項目担当の研究分担者が、産前産後休業および育児休業に入ったため、本項目を次年度以降に実施することとした。このため、本項目実施のための金額は使用せず、次年度以降に本項目を実施する際に使用させていただくこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記本項目は本研究において重要な位置を占めるため、現在、育児休業中の当該研究分担者の復帰後に集中的に実施する。
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Research Products
(12 results)