2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350466
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
鎌田 敏明 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (10356173)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 音声情報処理 / 話者分類 / 法科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
音声による話者認識では、声道の共鳴特性に由来するスペクトル包絡から得られるケプストラムに基づく工学的手法の研究が多く行われてきた。一方、日本語の方言や地域性による話者の地域分類は音声学、言語学の分野で扱われ、工学的手法に基づく研究分野ではほとんど行われていなかった。そこで本研究では、発話者の地域分類において信号処理技術による工学的手法に基づき、話者の特徴を表現するケプストラムを利用した統計的地域分類を確立する。話者の地域属性を、確率モデルを用いて客観的手法による地域分類のシステム構築を行うことにより、法科学分野の側面からの安全な社会基盤の構築を目的とする。 電話を通して収録された音声コーパスから話者モデルを構築するために、音韻の定常部、過渡部に対する特徴量抽出を行い、話者照合による性能評価実験を行った。その結果、過渡部の性能は定常部とほぼ同等であり、両特徴量を利用した話者モデルにより、照合能力の向上が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は3クラスタ以上の話者分類について検討する予定であったが、話者モデルの改善を行ったため、予定していた実験は平成28年度に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
話者分類のクラスタ数を増やして、3クラスタ以上の地域分類手法に関する実験、検討を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度は音響分析システムの購入を予定していた。音響分析システムはパソコンと周辺機器及びいくつかのソフトウェアで構成されるものである。現在使用中のパソコンは本研究以外の業務において音響分析や計算処理、文書作成を行っており、また購入後5年程度経過しており、新たなパソコンが必要となるため、予算計上を行っていた。 しかし実験計画が特徴量に着目した話者モデルの改善であり、使用中のパソコンによる分析が可能となったため、平成27年度の音響分析システムの購入を見送った。購入を予定していた一部の備品については既に購入取得提出済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大規模話者データ量の分析、実験に対応できる音響分析システムを平成28年度に購入する計画である。
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